005 怒髪天
「月刊 風とロック」3月号 怒髪天 インタビュー
箭:なんかもう何の話でもいいんですけど、今から10分間自由に(笑)。
増:じゃ、ここからにしましょう。
清:どうやって、同じ日に発売だけど、勝てるか。
(一同笑)
増:あーそうだ。戦略会議だな。サンボマスターのベスト盤と同じ日(※)だからさ、戦略会議しよう。
箭:あーいいですね。でも、3月末にベスト盤が出るって大物の証ですよね。決算前の大放出みたいな。
増:ま、でも、サンボね、いい曲いっぱい入ってるからなー。
箭:サンボはだって、2枚組で3150円ですよ。
増:あっ、勝った、値段的には。こっちは2500円です。
箭:2枚組で? おっ(笑)。
増:だってほんとは1枚組にしようと思ってて、そしたら、しばらくしてからディレクターに、すいません、入りませんって言われて、バカヤロッて。いいよ、2枚にしても。そのかわり値段変えんなよって話で。
箭:へぇー。それ可能なんだ。
増:20曲で2,500円だよ、2枚組で。普通3,000円するでしょ? そうか、じゃ、値段ではね、買いやすい。俺らのほうが。でも賞味期限切れてっかもしんないな。
(一同笑)
箭:さっきの話入れなきゃわかんなくなっちゃうじゃん(笑)。
増:入れない入れない(笑)。いや、でもほんとにあれだよね。サンボって何年やってんだっけ?
箭:10年ですね。
増:10年もやってんのか。うち、まぁ随分やってますけど、キャリア長いバンド好きになるとさ、アルバムすごい出てるじゃん、たいがい。サンボも出てるよ、かなり。ま、俺らハンパないけど。だから、よく、何から買ったらいいですか? って、全部買ってって言いたいけど、それは酷でしょ? だって俺がカーネーション聴いて、あっいいなぁと思って、調べたらすげー数出てると、アルバムが。そしたらやっぱ、ベスト盤とかね、編集盤買うじゃない。
箭:あそこで売ってほしいですね。あっ、すいません、話の腰折って。あの、高速道路。あそこで売ってるベスト盤すごくいい。
増:そうっ。あのね、前考えたよね。カセットテープにして、高速のパーキングで売ろうかっていう話あったよね。いちいちトラックの運ちゃんとこ行って。
箭:あー手売りで(笑)。
増:売れるんじゃねぇかなーって。でもそこの層、ライブに来ないっていうね(笑)。
清:一応あのー、きみまろさんが並んでるんだから、俺たちも置けるには置ける。
増:そうだよね。
友:高速のパーキングほんとそそられますよね。
箭:絶対買っちゃう。
増:見ちゃうよね。ま、だいたいABBAはあるよね。
友:あるね。
増:ABBAのベストはあるんだよな。演歌とABBAはある。
清:甲斐バンドもあるよね。
増:甲斐バンドあるね。
増:やっぱ往年の、ツイストとかね、ピンクレディーとか。
友:ふきのとうとか。
増:ふきのとうあるね。
箭:ふきのとう買いましたね、俺は。
友:因幡晃とか。
箭:因幡晃、絶対ある。
友:ありますよね(笑)。
箭:でも「わかって下さい」しか知らないまま買っちゃう。
友:そうそう知らない(笑)。
増:あのへんがやっぱり鉄板だよね、ゴダイゴとかね。
友:ゴダイゴね(笑)。
箭:坂さん、対策会議への発言がまだ出てないですけど。
坂:あっ、そうっすね…。
増:どうすれば、サンボのベストより売上伸ばせるか。
坂:さっきの話じゃないですけど、香り付きですかね。
増:あ、香りね。
坂:なんかいい香りするな、とか。
増:坂さん、トリュフ探してる豚じゃないんだから。香りで誘われて、「おっいい匂いするCDだな、じゃ、買おうかなって」って思わないでしょ。
坂:でも意外とウケはいいんじゃないですか。話題性がある。
増:なんか店に嫌がられそうだよね。
清:店のPOPさ、両方のバンド肩組んで、一緒に置いてもらったら?(笑)
増:「なんと4枚組!」て書いてね(笑)。
(一同笑)
箭:4枚組で5000円いってないですからね。
増:いいかもしんない。
清:そういうパッケージングのやつを作ってもらってさ、店によって。
増:知名度で言うと、間違いなくサンボのほうがもうすごい広い層に浸透してるわけじゃない? でも、ま、うちはもうバックに組織いるからね。桃のマークの。そこらへんでね。
箭:(笑)桃屋さんにもいろいろ協力してもらって。
増:坂さんなんかこうある?
坂:んー。
増:その知名度でやっぱ俺ら負けてると思うんだわ。
坂:知名度ねぇ。
増:まず匂いでしょ。匂い付きCD。後は? ま、今からじゃできるかな、遅いけどね。ま、匂いは後から付けることもできるね。
箭:何かのおまけに付くとしたら何のおまけに付いてセット販売するといいすか?
坂:おまけですか?
箭:おまけっていうか、抱き合わせ。さっきのサンボと一緒にみたいなの。CDじゃなくてもべつに。
坂:そうですね。やっぱ食事券ですか。
箭:食事券?!
(一同笑)
坂:朝食券だね、ホテル。
増:ビジネスホテルかっちゅうの。要らねーよ(笑)。
坂:全国共通みたいなそういう食事券。
増:よくアナログとかさ、あのテントウムシのやつとか、アナログのね、プレーヤーとセットになってセット価格のってあったじゃない。オリジナルのね、かっこいいやつ。ああいうのないの? 坂さん今、何が欲しいの?
坂:何が欲しい?
増:うん。欲しいもの。健康? 健康と抱き合わせだったら売れると思うけど。それは売れない。青汁?
坂:健康…。人間ドック券みたいのないっすかね。
増:(笑)自分の金で行けよ。若者は人間ドック券要らないでしょ。坂さんが欲しいもの何? ドラムセットとかダメだよ。一般的に。
坂:なんだろうねぇ。
増:腕時計とか、ほら、坂さん。
坂:時計はめちゃくちゃ欲しいっすね。
増:そのわりには自分で買わないけどね。何が欲しいの? 掛け時計?
坂:掛け時計じゃない(笑)。
増:部屋に300個ぐらい掛けてあってね。ボーンボーンボーンボーンいっちゃって(笑)。
坂:腕時計となると高いから…。
清:砂時計とか。
増:砂時計集めてんのシブいね。かっこいいね。なんか人生のはかなさを知ってる男っぽい。
箭:砂時計付きっていいっすね、なんかね。
増:なんか欲しいもんないの?
坂:いや、欲しいもんだらけだよ。
増:たとえば?
坂:たとえば、家でしょ。
(一同笑)
増:家付き! 抽選で、家が当たる。すごいね!
清:売れるかもな。
増:公団じゃねぇんだから。家欲しいんだ、坂さん。いたるところに欲しいの?
坂:いたるところに欲しいね。
増:1個でいいんじゃない? まず。
坂:うん、ま、1個あればとりあえずいいけどね。
増:どの辺に欲しいの? あ、財産として欲しいわけ?
坂:まぁ、マンションとか。マンション経営。
増:マンション経営したいの?
坂:マンション経営でうまく軌道に乗れば、楽でいいかなって。
増:坂さんってさ、常に楽したいよね。
坂:(笑)
増:あとは? 欲しいのは? 不動産?
坂:あと…なんだろうね。そんなもんだよね。
増:不動産だけ?(笑)
坂:いやいや、もういろんなもの欲しいけど。
増:抱き合わせできるようなもので。これがセット販売で付いてたら買っちゃうかもな、みたいな。
坂:なんだろうな、ヤスは何? 抱き合わせで。
清:坂さんうまくなったね。
増:振ってきたね。
清:なんだろうね。
坂:意外と難しいよね。
清:でもあれだよ、昔、カセットブックってあったけど、CDブックみたいになってたら。
増:それね、今、レミオロメンとかもやってたけど、そうだ、本いいわ。本。
清:自伝みたいなのとか。
増:「お尻倶楽部」と抱き合わせると坂さん買うでしょ。
坂:俺は買わねーよ(笑)。まったく無縁の世代だよ。
増:そうだね、いいね、本。
友:本いいね。歌本いいじゃん。
増:歌本! 歌本いいじゃん。
坂:歌本だ。
清:それ20曲分付いてて、さらにいろんな説明も書いてあって。
友:ね。
増:先に言っときゃよかったなー。もう出るんだよなー。惜しかった。
箭:そっかそっか。コードが付いてる歌詞カードってないっすもんね。
増:あのー、演歌のやつだと踊りとか付いてるもんね。歌詞カードに。振り付け。
清:あー、付いてる付いてる。
増:あとはあれだよね、やっぱあれだよね、キーホルダーとかさ、そういうグッズ付いてるのが惹かれるよね。初回特典でさ。
清:歌本いいよね。カポの位置とかちゃんとね。
友:そうそうそうそう。たまに間違ってたり。
増:いや、いいと思うよ。ま、不動産付いてるのが一番いいけどさ。
(一同笑)
増:たぶん手続きめんどくさいことになるよね。不動産付きで2枚組2500円だったら買うでしょ。
坂:買うね。かぶりついちゃうでしょ。
増:でもさ、とんでもねぇ国のもう誰も行かねぇような山の奥の土地かもしんないよ。火星の土地とかかもしんない。月とか。月の土地あるよね。
坂:やっぱり歌本なんじゃないかな。
増:なんで人の意見に便乗してんの(笑)。歌本おもしろいね、みんなで歌おうって。それはいいかもしれないな。ま、あとはラー油付いてれば売れるだろう。
箭:ラー油、いまだに見ないっすもんね。
増:あれ、もう抱き合わせだったら便乗できますよ。
箭:ま、ある種、榨菜も抱き合わせでしたけどね、ラー油の、大きな意味では。両方、怒髪天がつないでるっていう。
増:じゃあもう全部付けますか。
箭:榨菜も売れたんですよねぇ。
増:言ってましたね。あとあのー、やわらぎ。
箭:そう、ビンものが活性化されちゃったんですよね、あの2つのCMで。
増:ビンに入れりゃ良かったかなー。CDを。ビン入り。
箭:ビン?(笑)
清:食べるお酢とかいろんなもの出てきてるからね。
増:ほんと? 食べるCDいいんじゃない?
箭:(笑)
清:チョコでできてるっていう? 昔あったよね。
箭:食べるCD(笑)。
増:聴けねーじゃん(笑)。
箭:たしかに“食べる”って付ければ売れますからね、ラー油以降。
増:坂さんももう今、冠は“食べる坂詰克彦”だもんね。昔、せんべいでできたレコードとかあったよね。
箭:へぇ。
清:お菓子がレコードになってるの、チョコのありましたね。
箭:チョコありましたね。
清:パッケージが食べられるのないですかね。
増:食べる…。食べものはでも付けれないからなー、管理が。賞味期限…(笑)。
箭:またそこに戻っちゃった(笑)。
清:CD屋で買えないの、スーパーのチョコのとこに並んでるとか。
増:チョコにしちゃ高いよな。
箭:残りあと1分でまとめましょう。かなり濃い話し合いだったと…(笑)。
増:内容まるでないでしょ(笑)。
箭:(笑)でも、歌本おまけに付けますよ、風とロックに。1曲分とか、ともしびのコードが付いてるとか。
友:いいっすね。
増:コード譜。いいんじゃないかな。歌本で、ギター弾くやつみんなコピーしてたもんね。
友:してたよね、昔。
箭:歌本ナイトも楽しかったし。
増:あれはね、終わらない、楽しくて。
友:気づいたら5時間ぐらいやってましたよね。
箭:やってましたね。
増:けっきょく後半のプログラム、全部とばしたからね、歌本楽しくなっちゃって。歌本いいんじゃないかな。
友:サンボ、コード難しいからね。使ってるコードが。おしゃれなコードが。
箭:怒髪天は簡単?(笑)
友:怒髪天は簡単ですよ、コードは。
清:うそー、たまに難しいの出てくるじゃん。
友:いやいやいや。
増:たまにだよ。だけど、サンボは基本難しいから。シャレオツコード入ってるから。
友:シャレオツコード? メジャーセブンスとか?(笑)
増:そうそう。坂さんはそれ、ステージドリンクっていうか、野菜ジュース飲みながらやってんの?
坂:うん、今日はね。水もあるよ。
増:シブいっすねぇ。
友:坂さん、その水があやしいね。
増:どこの水?
坂:ちょっとあんまり見ないでしょ。
増:なんだそれ?!
(一同笑)
坂:そこのあのードラッグストアで。
増:坂さんってあれだね、野菜は野菜ジュースで十分って言ってて、痛風になったからね。
坂:おかしいんだな、それが。ならないはずだったんだけど。
増:あくまでも、それに書いてあるけどさ、補助食品ですって書いてあるのにさ、さんざんシミも言ったよな。
清:なんであんなかたくなに野菜食わなかったの?
坂:野菜あんま好きじゃなかったの。
(一同笑)
増:こどもか!
清:ただの好き嫌いかよ。
坂:こんなジュースなんて飲みやすいものあるならこれで…。
増:完全にこどもなのな。オムレツの中に入れられてキノコ食っちゃうみたいな(笑)。野菜嫌いだったんだ。
坂:嫌いっていうか、べつに食べなくてもいいと思ってたの。
増:まぁ、あれからでも信じられないくらい食ってるね。
清:バランスよく摂ろうなんていうのは頭の隅っこにもなかった?
坂:いや、それで、野菜ジュース。
増:大丈夫、大丈夫って言ってたら大丈夫じゃなかったからね。まさかの。
清:野菜ジュース飲んで、青汁まで飲んでるにも関わらずダメだったからね。
坂:ただほら、青汁はね、だいぶ前にやめちゃってたの。青汁続けてたら、痛風にはならなかったかもしれない。
増:そだね。青汁で多少なりともカバーできてたかもしれないね。
坂:そうそう。
増:やっぱ金銭的な問題でやめちゃった?
坂:いや、なんかね。
清:風邪ひいたからだよね、飲んでるのに。
増:効かねーなと思ったから?(笑)
箭:(笑)
坂:あれなんでやめたのかな?
増:青汁飲んでる手前、メンバーには風邪ひいたって言わないでくれってヨメさんに言ってたって。
(一同笑)
増:それでリハ来てハァハァ言ってるから、大丈夫かって言ったら、大丈夫だ、全然大丈夫だって。なんかちょっと疲れただけですって言うから、絶対あれ熱あるぞって言ってたんだよね。
坂:でも実際青汁飲み始めてしばらくしてからは、真冬にうたた寝しちゃって、夜中目覚めるじゃない。ストーブとか着けてなくて。
増:よくうたた寝できるな。
坂:そういうこと何回もあったけど、いっさい風邪ひかなかったの。青汁すげーなと思ったの。
増:っつうかさ、真冬にストーブも着けないでうたた寝できるってすごいね。
坂:普段だったらだいぶいっちゃってるはずなんだけど、ぜんぜん風邪ひかなくて、これはキューサイさんすげーなと思って。
(一同笑)
清:“さん”づけかよ(笑)。
増:なんでそんなに素晴らしいキューサイさんの青汁やめたわけ?
坂:1回、青汁キャベツ置き換え事件っちゅうのがあって。
清:あー、ケールから。
坂:そうそうそう。原材料とれなくなっちゃったときに、キャベツで代用したの。で、それがバレちゃって。
清:でも、あれ成分あんま変わんないんでしょ? キャベツと。
坂:いや、結構ね、ケールのほうがいろいろ高いみたいだけど。
箭:はい。そんな感じでここで、ありがとうございます(笑)。
増:ケールの話で(笑)。
怒髪天
増:増子直純(Vo.)
友:上原子友康(G。)
清:清水泰次(B.)
坂:坂詰克彦(Ds.)
箭:箭内道彦
2011年3月10日 西荻窪スタジオUENにて
※ サンボマスターのベストアルバム『サンボマスター 究極ベスト』は4/6リリースに延期されました
歌本「そのともしびをてがかりに」
No.001 河尻亨一 “NO 広告批評, NO 風とロック.”
No.002 松田晋二・菅波栄純(THE BACK HORN) 『福島ロックンロール会議』
No.003 松田晋二(THE BACK HORN)・山口隆(サンボマスター)・渡辺俊美(TOKYO No.1 SOUL SET)・箭内道彦(風とロック) 「猪苗代湖ズ」
No.004 増子直純(怒髪天)・松田晋二(THE BACK HORN)・箭内道彦(風とロック) 「風とロック芋煮会参加の手引き」
No.005 「月刊 風とロック」3月号 怒髪天
No.006 「月刊 風とロック」3月号 サンボマスター
No.007 西田敏行・是枝裕和・渡辺俊美・箭内道彦