第3回:女性ライター、リアルな女性誌談義に花咲かす!!
第3話:Olive少女よ永遠に!
3月25日 21:13

1)女性ライターの雑誌遍歴って?

magabon:学生時代ってどんな雑誌を読んできましたか?

千木良:中学生では『non・no』『an・an』をずっと読んでました。ファッション以外だと『VIVA ROCK』と『ミュージック・ライフ』と『宝島』。

magabon:ロックな人ですね。

千木良:『宝島』で音楽やサブカルチャーに浸かっていました。音楽とファッションが融合した『CUTIE』が出てきたときは、「おぉっ」と思いました。次に『marie claire』かな。で、その後は『ELLE JAPON』とか『SPUR』

magabon:だんだん大人へと変わっていくものですね。

千木良:今、欠かさず読んでいるのは、『In Red』かな。『VOCE』とかも。たまに『Soup.』とかも見ますね。私にとっては実用性は低いのだけれど、女の子とかファッションとかがカワイイので好きです。

西條:私の場合は、最初に出会った雑誌が『Olive』でした。特に、モノクロページが好きでしたね。あの紙の薄さとかインクの匂いとか。カワイイものがライフスタイルの中に普通に入ってきたのも『Olive』の影響でしたね。

magabon:オリーブ少女はいまだ根強いですよね!

横溝:私も中学校の後半から『Olive』を読み始めて、それからずっと…。たぶん、人生の中で『Olive』以上のものは現れないと思います。その年頃ならではの熱中というのもあると思うんですが。

西條:雑誌との密着度がすごくあったんですよね。

横溝:カレンダー1年分、発売日の3日と18日のところに○をつけていました。それくらい『Olive』は衝撃的でしたね。

西條:時代や世代ならではのスタイルを教えてくれた雑誌だったよね。雑誌で見たら即“リセエンヌ”になってる、みたいな。

magabon:“オリーブ少女”は、クラスにどれくらいいたんですか?

横溝:どう?

西條:当時はDCブランドブームだったから、見た目でわかりましたよ。制服はみんな一緒なんだけど、丈の長さや髪型とか持っているブランドのバッグとか、限られた情報のなかからですけれど。

横溝:うちの学校はみんな私服で、すごく真面目な学校だったんですけど、『Olive』を好きな子は、<ATSUKI OHNISHI>とか着てました。後半はカジュアル路線に行って、チノパンとかはいてましたよね。〈Do Family!〉とか。

西條:同じチノでもシーズンによって、幅とか丈とかが違うんですよね。

横溝:西條さんも言ってたけど、モノクロのページもすごく面白かったんですよ。「お菓子屋ケンタ」とかね。

西條:懐かしい。

横溝:ちなみにそんな高校時代を過ごした後は、『JJ』に行きました。それぞれの時代の王道をたどっていますね(笑)。

千木良:あの頃も、断然『JJ』でしたよね。

横溝:私の場合は結局、『GINZA』に戻ってきましたけど。

2) 40代の夢見る雑誌創刊!?

magabon:では、最後に。最近、女性誌の読者はどんな傾向があるのでしょう?

横溝:なんだろう……。やはり『AneCan』みたいに明日のコーディネートを全部教えてくれる!みたいなものが主流ですよね。そういったものを読者が求めているということなんだと思います。雑誌に夢を託す、みたいな読者は減っているのかも。

千木良:わかりにくいものが排除されていってるというか、より直接的なものになっているというか…。

横溝:ちょっと寂しいですね。

西條:個性というか、タイトルだけで引っ張ってこれる雑誌が少なくなってる感じもしますし。

横溝:そういう意味では『NIKITA』『NIKITA』にしかありえないという特集やイメージはアリですよね。

magabon:なるほど。これからこういう雑誌が作りたいとかありますか?

横溝:10代の頃の私にとっての『Olive』のポジションにある雑誌が、30代、40代向けにもあるといいですよね。

西條:元オリーブ少女は、みんな迷っているんじゃないかな。

横溝:高校生と違って、30代、40代ともなると、人によって生活がかけ離れてるから、雑誌の好みも細分化されているのかも。そのままオリーブ路線をいきたい人は『GINZA』『SPUR』に行くだろうし、元『Olive』でも大学時代は『JJ』を読んで、今は『VERY』『STORY』を読んでるかもしれない。

西條:そのルートに乗っかれていない人はきっと、自分に合う雑誌を求めている気がします。

横溝:元オリーブ少女も 30代半ば?40代にさしかかろうとしてますからね。

magabon:今の40代向けの雑誌って、キャリアに走るか、幸せな家庭人か、という選択肢になってしまう感じはしますよね。いっそのこと、もう少し夢を見させてくれる雑誌を作ってしまう、というのはどうですか?

西條:作れたらいいですね。今度創刊される『Esquire』の女性版『Dear』とか、新しい雑誌も増えるようですし。大人の女性をターゲットにした雑誌に注目しています。

横溝:地に足がついた、かわいらしい雑誌が増えたらいいですね。

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