2)紙から生まれる、“行間”という意味。
magabon:幅君は、本棚で個性を出すっていうか、それが表現手段というスタンスでお仕事されいるんですよね。
幅:そうですね、本棚を編集する、という感じでしょうか。青山一丁目にある<BOOK246>って、よく旅の本屋って言われることが多いんですけれど、棚が地域ごとに分かれているんです。普通の書店で見られる旅ものの棚だと、ガイドブックと地球の歩き方、地図だけ、だと思うんです。でも、<BOOK246>は、もし南米だったら、ガルシア・マルケスの小説を入れてみたり、オスカー・ニーマイヤーの建築本を入れてみたり。セグメントを編集し直すっていう作業ですね。
箭内:なるほど、確かに本棚の編集、ですね。
幅:さっき仰っていた、雑誌は工芸っていうのにシンパシーを感じます。僕も、紙に印刷されている状態っていうのが良いんですよね。紙の上に乗っているから、文字にも行間が生まれるし、同じ言葉でも厚い紙に載っているのと、薄い紙に乗っているのだと全然ニュアンスが変わってくるじゃないですか。細かいニュアンスを伝えるのって雑誌ならでは。あと見開きの感じがいいですよね。モニターとは違って、単純に2倍になったってそれはそれで画期的だと思うんですよ。そういうナラティブなストーリーを入れていくっていうのが雑誌っていいなと思いますね。紙のにおいも好きですよ。
箭内:めくるって楽しいですよね。めくるってなんで楽しいんですかね。