第2回:未知との遭遇?箭内道彦VS女子大生編集長。
第4話:雑誌の勝負はこれで決まります!?
12月12日 18:20

1)今月の「表紙勝負! 」雑誌。 

幅:ちらちら気になってたんですけど、今月だと女性誌で唯一『Domani』だけが表紙が福山雅治っていう。男性ですね。

箭内:Domani』初だったって聞きましたよ。初の男性表紙。

幅:やっぱり目立ってましたね。あと、「ありがとうございます」みたいなね。この間のCanCamもそうでしたよね。25周年、ありがとうございますって大きく表紙に載っていた。流行ってるのかな。御礼いうの。

magabon:どうですか? 女性として、女性誌に男性モデルが表紙に来るのって。

坊農:モデルってパッと目に付きますからね。ターゲット層に人気の男性が出ているのは、気になりますよ。

箭内:しかも、この下の「リアルSNAP」って、スナップをローマ字にすることで、SMAPと誤認して買う人がいるはずですね・・・。



magabon:そこまで!? そんなわけないですよね(笑)。福山雅治さんと『Domani』の相性ってどうですか? いいんでしょうか?

箭内:いや、良いと思いますよ。雑誌って固定客がいるなかで、表紙一発で新しいお客さんが入ってくるじゃないですか。それをやるってうまいな、と思います。ま、でも次の月は買わないかもしれないけど。

magabon:たしかに、いつもの『Domani』とは違いますよね。

幅:いつもは、女優さんとかですもんね。一年くらい男性を表紙に使い続ければ面白いのに。

magabon:一時流行りましたよね。同じモデルを使い続けるっていうの。

幅:;ジローラモさんとか。ジョン・カビラさんとか。『uomo』もやってましたよね。

箭内:雑誌の編集長の方と喋っていてよく聞くのって、新雑誌を創刊する時に、自分のところの雑誌の色を誰で付けるかってすごく悩んでますよね。このターゲットだからこの女優さん、カルチャー系だからこのミュージシャン、とか。それが結構カブりだして、足りなくなってきていますよね。その雑誌を人でイメージできるっていうのが。

magabon:例えばSHIHOちゃんとかね。

幅:今で言うと、『BOAO』といえばSHIHOちゃんっていう感じだもんね。

2)雑誌はずるい!

magabon:箭内さん、女性誌は逆に見ます?

箭内:あんまり見ないですね

magabon:美容室でも見ないですもんね

箭内:女性誌は美容室でも、まず渡されないからね。そのセレクションもアシスタントの子によって違って、旅ものを持ってくる人もいれば、ファッションものを持ってくる人もいますからね。それ楽しいですよね。あそこでただお客さんを見極めて、何の3冊を持っていくかっていうのが楽しいんでしょうね。

幅:あえてチャレンジングな雑誌持ってくる人とかいますからね。

箭内:あと、僕最近女性誌にコメントを求められることがやたら増えましたね(笑)。

magabon:コメントとかインタビューとか多いですよね。比較的面白いのを受けてくれるっていうイメージなんですが。



箭内:面白かったら受けますけど、時間があったら受けるっていうのもありますね。いつも思うのが、やっぱり雑誌って特だなと思いますね。これが広告だったら、多くのタレントやモデルやらに出てもらおうと思ったら莫大なお金がかかるじゃないですか。かと思うと、雑誌に文章書く時に半日から一日かけて書いたりするんですけれど、それで1万円。もっとくれっていうことじゃないですよ。でもタグボートの人がそんな文章を書いたら、比べものにならないお金が一気に入るわけですよ。だけど、雑誌って嬉しいじゃないですか、なんか。広告よりも雑誌に文章が載るほうがなんか嬉しいんですよ。で、それを編集の人は知っていて、悪用しているというかね。

magabon:(笑)

箭内:あれは雑誌の魔力っていうか。なんかありますよ、そういうの。

幅:僕もたまに作る立場になることがあるから、分かるんですけど、雑誌って要は会いたい人に会いにいくためのツールみたいで、気軽に使えてしまう部分がありますよね。やっぱり広告だと大きな話になるけれど、雑誌は出会い道具に近いかもしれない。

箭内:自由だしね。メディアがあるって、強みですよね。フジロックで、『風とロック』の取材って言っただけで苗場プリンスが取れたんですよ。

magabon:おおー。

箭内:俺もメディアやってんのかな、なんて思っちゃって。

magabon:それって普通にやって取れたんじゃないですか?

箭内:そんなことないですよ、苗場は。ま、雑誌やっている人って楽しいと思いますよ。だって、コピーや写真を自由にアレンジできるじゃないですか。「鍋だよ、全員集合」とか。総理大臣の顔も許諾なしで出したっていいんでしょ?

magabon:いいんですよ。逆にカメラマンの許諾さえ取れれば。

箭内:雑誌っていうのはやっぱりいいな。特別区ですよね。

3)止まらないタイトル・メイキング

幅:最近の雑誌って、ことばを使うのが上手いですよね。発明じゃないけれど。「ゆるリッチ」とか「ほんわかわいい」とか。なんとなく雰囲気は伝わってきますよね。昔に比べて言葉の使い方が面白い。

箭内:やっぱり「チョイワル」が衝撃的だったんでしょうね。僕の会社でも、そういう作業やってますよ。広告のコピーじゃなくて、新しい雑誌における「チョイワル」みたいなコピーを作って欲しいっていうオーダーが来ますね。どこにもでない、割と寂しい仕事なんですけどね。あれやりましたっていいづらいんですけどね。

幅:あれ以来、強引につくって良いんだっていう意識が増したんでしょうね。

magabon:最近気になったのが、50、60代の人に向けての雑誌がすごく多いんですよね

箭内:これ気になってたんですよ。『トムソーヤー・ワールド』の「Charは語る」っていうやつ。

magabon:『AERA』がロック雑誌作ったっていうのに近いですよね。

箭内:この表紙のADとか不思議ですよね。一線を画してますよね。

幅:神保町あたりにありそうですね。

箭内:歳をとった方も雑誌を読む人が多いってことなんでしょうね。

magabon:幅さん、どうですか?

幅:そうですね、僕は石川次郎さんのところにいたんですけれど、やっぱり『BRUTUS』や『POPEYE』とか雑誌というメディアの力を信じてた人たちが、また今、余裕やお金ができて、優雅になって雑誌に戻ってきたっていう感じでしょうか。

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2006年11月16~12月12日
に発売されたもの



ソトコト  
1月号
11月5日
800円

食楽  
1月号
11月30日
780円

25ans  
1月号
11月28日
780円

ELLE JAPON  
1月号
11月28日
580円

Grazia  
1月号
12月1日
780円

VOGUE NIPPON  
1月号
11月28日
680円

H  
12月号
11月30日
550円

BOAO  
1月号
12月7日
650円

POPEYE  
1月号
12月9日
650円

日経 WOMAN  
1月号
12月7日
550円

CREA  
1月号
12月7日
600円

GLAMOROUS  
1月号
12月7日
680円

FIGARO japon  
12/20号
12月5日
500円

ku:nel  
1月号
11月20日
680円

Tarzan  
12/27号
12月13日
500円

Domani  
1月号
12月1日
700円

psiko  
1月号
12月1日
550円

装苑  
1月号
11月28日
560円

ミセス  
1月号
12月7日
1,200円