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第2回:未知との遭遇?箭内道彦VS女子大生編集長。
1)今月の「表紙勝負! 」雑誌。 幅:ちらちら気になってたんですけど、今月だと女性誌で唯一『Domani』だけが表紙が福山雅治っていう。男性ですね。 箭内:『Domani』初だったって聞きましたよ。初の男性表紙。 幅:やっぱり目立ってましたね。あと、「ありがとうございます」みたいなね。この間のCanCamもそうでしたよね。25周年、ありがとうございますって大きく表紙に載っていた。流行ってるのかな。御礼いうの。 magabon:どうですか? 女性として、女性誌に男性モデルが表紙に来るのって。 坊農:モデルってパッと目に付きますからね。ターゲット層に人気の男性が出ているのは、気になりますよ。 箭内:しかも、この下の「リアルSNAP」って、スナップをローマ字にすることで、SMAPと誤認して買う人がいるはずですね・・・。
箭内:いや、良いと思いますよ。雑誌って固定客がいるなかで、表紙一発で新しいお客さんが入ってくるじゃないですか。それをやるってうまいな、と思います。ま、でも次の月は買わないかもしれないけど。 magabon:たしかに、いつもの『Domani』とは違いますよね。 幅:いつもは、女優さんとかですもんね。一年くらい男性を表紙に使い続ければ面白いのに。 magabon:一時流行りましたよね。同じモデルを使い続けるっていうの。 幅:;ジローラモさんとか。ジョン・カビラさんとか。『uomo』もやってましたよね。 箭内:雑誌の編集長の方と喋っていてよく聞くのって、新雑誌を創刊する時に、自分のところの雑誌の色を誰で付けるかってすごく悩んでますよね。このターゲットだからこの女優さん、カルチャー系だからこのミュージシャン、とか。それが結構カブりだして、足りなくなってきていますよね。その雑誌を人でイメージできるっていうのが。 magabon:例えばSHIHOちゃんとかね。 幅:今で言うと、『BOAO』といえばSHIHOちゃんっていう感じだもんね。 2)雑誌はずるい! magabon:箭内さん、女性誌は逆に見ます? 箭内:あんまり見ないですね 箭内:女性誌は美容室でも、まず渡されないからね。そのセレクションもアシスタントの子によって違って、旅ものを持ってくる人もいれば、ファッションものを持ってくる人もいますからね。それ楽しいですよね。あそこでただお客さんを見極めて、何の3冊を持っていくかっていうのが楽しいんでしょうね。 幅:あえてチャレンジングな雑誌持ってくる人とかいますからね。 magabon:コメントとかインタビューとか多いですよね。比較的面白いのを受けてくれるっていうイメージなんですが。
magabon:(笑) 箭内:あれは雑誌の魔力っていうか。なんかありますよ、そういうの。 箭内:自由だしね。メディアがあるって、強みですよね。フジロックで、『風とロック』の取材って言っただけで苗場プリンスが取れたんですよ。 magabon:おおー。 箭内:俺もメディアやってんのかな、なんて思っちゃって。 magabon:それって普通にやって取れたんじゃないですか? 箭内:そんなことないですよ、苗場は。ま、雑誌やっている人って楽しいと思いますよ。だって、コピーや写真を自由にアレンジできるじゃないですか。「鍋だよ、全員集合」とか。総理大臣の顔も許諾なしで出したっていいんでしょ? magabon:いいんですよ。逆にカメラマンの許諾さえ取れれば。 箭内:雑誌っていうのはやっぱりいいな。特別区ですよね。 3)止まらないタイトル・メイキング 幅:最近の雑誌って、ことばを使うのが上手いですよね。発明じゃないけれど。「ゆるリッチ」とか「ほんわかわいい」とか。なんとなく雰囲気は伝わってきますよね。昔に比べて言葉の使い方が面白い。 箭内:やっぱり「チョイワル」が衝撃的だったんでしょうね。僕の会社でも、そういう作業やってますよ。広告のコピーじゃなくて、新しい雑誌における「チョイワル」みたいなコピーを作って欲しいっていうオーダーが来ますね。どこにもでない、割と寂しい仕事なんですけどね。あれやりましたっていいづらいんですけどね。 幅:あれ以来、強引につくって良いんだっていう意識が増したんでしょうね。 magabon:最近気になったのが、50、60代の人に向けての雑誌がすごく多いんですよね magabon:『AERA』がロック雑誌作ったっていうのに近いですよね。 箭内:この表紙のADとか不思議ですよね。一線を画してますよね。 幅:神保町あたりにありそうですね。 箭内:歳をとった方も雑誌を読む人が多いってことなんでしょうね。 magabon:幅さん、どうですか? 幅:そうですね、僕は石川次郎さんのところにいたんですけれど、やっぱり『BRUTUS』や『POPEYE』とか雑誌というメディアの力を信じてた人たちが、また今、余裕やお金ができて、優雅になって雑誌に戻ってきたっていう感じでしょうか。
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