第2回:未知との遭遇?箭内道彦VS女子大生編集長。
第5話:今回気になった雑誌は?
12月12日 18:53

1)30女のひそかな選択。

magabon:ほかに気になる表紙とか見出しはあります?

幅:Domani』の“「産みたい、でも・・・。」そして今と子供を天秤にかけている私。”ってすごいタイトル。

坊農:14歳の母みたいですね。

magabon:多分ちょうど30代前半とかの女性向けですかね。それでいうと、今回の『CREA』も「大人の女ひとり旅ブック」。ひとりの時間をどうきれいに過ごしましょうかっていう。

幅:ひとりで過ごす女性って増えているんでしょうね。男性ひとりでは特集はないですからね。

2)表紙の"違和感"も大事です。

箭内:僕はこれ。『GINZA』。この表紙の色(むらさき)。紫に白を混ぜたようなライラック色というか。かなり個性的だと思いますよね。新しいですね、この色あわせが。あとは、デザインでいくと『食楽』。もとデザイナーとしては。従来のデザインじゃないですよね、この表紙は。一線を画していますね。



幅:表紙で言えば、『GLITTER』とか最近はもう日本語のタイトルないんですよ。ほとんど英語。あと『PLANTED』は、毎号AD変えてるんですよね。それも興味深い。

箭内:なんか『食楽』とは対極にありますね。

幅:どっちもいい強度がありますけどね。

magabon:PLANTED』v.s『食楽』ってみたことないな。

箭内:そしたら、キラキラも出しておいたほうがいいじゃないですか、『Tiara Girl』もね。

坊農:ありがとうございます。残っていくものもカワイくあってほしいので、全部キラキラにしてるんですよ。

幅:雑誌の有力みたいのを感じ取ってるんだね。

坊農:かわいいのが良いっていうだけなんですけれどね。

幅:やっぱりかわいいものを取っておきたいんだ。阪急コミュニケーションズは、文字が少ないのが流行ってるんですかね。『FIGAROジャポン』や『Pen』を見ると同じ会社の雑誌って感じ。

箭内:あ、『_ates』! ノーフード、ノーライフって勝手にこんなところに書いて!



magabon:あれ、あれ?箭内さんがやられているタワレコの"NO MUSIC,NO LIFE."コピーにそっくりですね(笑)

箭内:いやいや。でも、僕これをやってもらえると嬉しいですよね。

magabon:多いですもんね。

箭内:やったーって思うんですよ。あ、ぼくこれ絶対買います。『_ates』の「ホテル」特集。ていうのは、女の子を誘いたいんじゃなくて、ぼくいつもホテルにこもってCMの編集してるんですよ。ホテルのスイートにエディターの人と2泊して編集するんです。これがすげー楽しくて。贅沢なように聞こえるけど、普通の編集室って1時間で1万8000円くらいするんですよ。そう考えると、スイートが14万って安いんですね。次どこ泊まろうかなって思ってるんで、これ買います。これ、使えますね。さすがノーフード、ノーライフ。雑誌って、これだーっていうのを見つけたときって嬉しいですよね。



幅:沖縄行く前に『BRUTUS』の「沖縄に連れてって」が出てたりすると、嬉しいですもんね。

3)女子大生編集長はこれが気になる!

magabon::坊農さんが、雑誌を読むときこれだけは見るっていうのありますか?

坊農:海外のセレブファッションですかね。日本ではやる前に、海外から火が付いて日本にくるので、先に海外セレブをチェックします。今はレトロやクラシックな感じですかね。映画『プラダを着た悪魔』もクラシカルでしたよね。大きめのボタンとか太いカチューシャとか。

magabon:今、海外で代理人が買ってくれるっていうサイトあるって見たんですけど。女子大生の間で流行っているの?

坊農:あ、私は知らなかったですね。そういうのがあるんですね。『CanCam』は決まった色があって教科書みたいなんですけれど、『ViVi』や『GLAMOROUS』は着こなすのにレベルの高い個性的な服が載っていて、女性のファッションは、二極化していると思うんですよね。私もコンサバというより個性的なもののほうが好きなので、海外のスナップをみて、どこに売っているのか自分で探すのが好きなんです。

magabon::坊農さんが今回気になった特集はありますか?

坊農:そうですね。私は、これ。『Tarzan』が気になります。表紙の人が着ているO×、わざわざ電飾で作ってるんだ。凝ってますね。あとは『ku:nel』のムーミン。ムーミン好きだし。クリスマスとフィンランドって時期もいいですね。

magabon::『ku:nel』はどうですか?

幅:ku:nel』か。一時期ほどは売れてないかも。同じような雑誌が出てきちゃっていて。でも逆に言えば、ひとつのジャンルとしてできあがったってことですからね。

4)これから注目の雑誌とは?

magabon:幅君がプロの目線で気になっている雑誌ってあるの?



幅:ちょっと最近気になっているのは、北九州市が作っている「雲の上」っていうフリーペーパー。で、スターアライアンスの機内誌にもなっているもの。フリーペーパーなんだけど、牧野功さんが「雲の上」って手書きで書いてあって。くじらの絵が描いてあるんですよ。機内誌もこのレベルまできたか、って。中味も北九州の酒屋さん5人を徹底取材みたいな企画なの。酒屋さんの一杯飲めるっていうそれだけを取材しているところ。昔なら、市が作っているのって宣伝とか自慢だったりするでしょ? すごいですよ。フリーペーパーとか機内誌とかは、今。

magabon:へぇ、面白そう。読んでみたいですね。

幅:あとは『ミセス』とか。元『装苑』の編集長がミセスに来ているんです。すごく気の効いた人選や情報があるんですよ。展覧会のセレクトも良いんです。それに、ブランド『LAD MUSICIAN』のデザイナー、黒田さんが音楽について書いていたり、と思えば魯山人の器のページがあったり。バランスが面白いですよ。

箭内:雑誌って編集長が変わるとそんなに変わるんですか?

magabon:流行通信』を見てびっくりしましたね。

幅:たしかに『流行通信』は変わりましたよね。

坊農:『和楽』っていうのは・・・? 初めて見ました。

幅:基本的には書店では売ってないんですよ。『SEVEN SEAS』と同じ定期購読のシステムですね。

坊農:外国のものに目がいきがちですが、和だけでクオリティが高いのもいいですね。



幅:変わったといえば、『OZマガジン』ですよね。リニューアルしたばかりだし。『Hanako』の路線に近いのかなぁ。全面写真って今までなかったもんね。

magabon:注目ですね。どこにいくのか。

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2006年11月16~12月12日
に発売されたもの



ソトコト  
1月号
11月5日
800円

食楽  
1月号
11月30日
780円

25ans  
1月号
11月28日
780円

ELLE JAPON  
1月号
11月28日
580円

Grazia  
1月号
12月1日
780円

VOGUE NIPPON  
1月号
11月28日
680円

H  
12月号
11月30日
550円

BOAO  
1月号
12月7日
650円

POPEYE  
1月号
12月9日
650円

日経 WOMAN  
1月号
12月7日
550円

CREA  
1月号
12月7日
600円

GLAMOROUS  
1月号
12月7日
680円

FIGARO japon  
12/20号
12月5日
500円

ku:nel  
1月号
11月20日
680円

Tarzan  
12/27号
12月13日
500円

Domani  
1月号
12月1日
700円

psiko  
1月号
12月1日
550円

装苑  
1月号
11月28日
560円

ミセス  
1月号
12月7日
1,200円