早いものでして、もう撮影も残すところあと幾日か、という段階になって参りました。そういえば、撮影開始した時は身体中の水分が蒸発せんばかりの暑き日々でしたが、最近では何だかひゅるると寒くなったりして、いつの間にやら季節は巡ってしまっているようです。
ところで、この物語におけるオトンという人は、本当に掴み所のない、同時にあまりにもダメで、しかし実に人間としての魅力に溢れた人として描かれています。オトンが何を考え、何を想って生きているか、オトンの目は何を見て、オトンの心は何に震えたのか、本当に謎が多い分、魅かれるものを多くもった人なのだと思います。
そのオトンが、最近めっきり老け込みました。(役柄の話です。)今までは荒々しく猛々しく、無軌道!自己中!自由人!な香りを漂わせていたオトンの背中も、次第に丸まってきて、ああ、て感じです。老けメイクを施した小林さんから滲み出る、オトンの悲哀が、半端でなく切ないのです。
映画が進むにつれて、ボクが大人の男になり、オトンが老けてゆく。何だかそこに人生を濃縮した画を見たようで、家路につく帰り道の秋風が凄く沁みるのです。
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