2006年09月 ARCHIVES

2006/9/ 1 [Fri]

9月、そして土砂降り

9月になりました。撮影開始から、約3週間がたちました。あっという間に過ぎ去ってゆく日々です。8月に何か忘れ物をしているような様な気持ちでもあります、なんて私がそんな下らない感慨にふけっている間も、撮影は続いていきます。そうです、みんなプロなのです!
今日は朝から雲行きは怪しかったのです。でも、なんやかんやお天気は持つものと思っていました。が、お昼近くになると、バケツをひっくり返したような雨が降り始めたではありませんか。もはやスコールです。東京は亜熱帯と化しています。
午後に予定されていた公園での撮影は、中止となってしまいました。雨で冷えた身体は、近くのラーメン屋さんで、温かいラーメンをすすって温めます。と、横を見ると、そこにはキャストの方々やらスタッフやらエキストラの方やらで、気づけば西巣鴨のラーメン屋さんは東京タワーチームに占拠されていたのでした。

2006/9/ 3 [Sun]

The 元病院の借家

「東京タワー」の撮影は、実に普段行かない様な、様々なロケ地に行きます。なかなかプライベートで行くような機会のないところにいく、というのは、ロケセットの撮影の醍醐味だったりもします。
今日は埼玉での「元病院の借家」のシーンの撮影。実際に、病院として営業されていた建物を使ったこのシーンは、原作の中にもある、ボクとオカンが住む「病院を改造した借家」の舞台となります。洋館風の造りの表玄関をくぐると、ひんやりとした細長い廊下があり、突き当たりの所に、突如として、やたらと生活感に溢れたオカンとボクの部屋が現れます。「病院」と「住居」が渾然一体となった、不思議な空間です。室内のセットの中の美術も、いつもながらにとても凝っていて、とてもとても住み心地がよさそうな、狭いながらも楽しい我が家的雰囲気が流れています。
今日は、ナイターのシーンの撮影などもあり、近隣の住民の方々にはご迷惑おかけしたことかと思いますが、皆様とっても暖かく、「お仕事大変ねえー」「お姉さんは、ADですか?」なんて声をかけて下さったりしました。ちなみにADではなくて宣伝担当ですが、疲れた身体には、ジワワと染み入るのでした。どうもありがとうござました。

2006/9/ 4 [Mon]

ダンスダンスダンス

今朝の公園のシーンの撮影の際に、少しヘコむ出来事がありました。太陽がとても綺麗で、緑が生き生きとした、とても美しい朝だったのに、草むらを歩いている時に犬のウン○をおもむろに踏んづけていました。スニーカーの裏のボツボツの間にまんべんなく入り込んだソレは、なかなか手強く、特殊メイクさんに頂いた歯ブラシのお世話になりました。撮影中は、色んなことが起きます。
気を取り直して、今日は、ダンスの撮影。午前中の、公園での跳躍的なるダンスシーン(このシーンが本当にスゴイ!お楽しみに!!!)に引き続き、午後はダンスホールでのダンスシーン。ダンスホールなるものに初めて足を踏み入れたのですが、街の喧騒とは隔絶された、完全なる異空間なのです。無数なる、きらびやかな電飾が幻想的で独特な雰囲気を醸しています。その眩しいばかりのシャンデリアの下には、お世辞にもキレイな格好をしているとは言い難いスタッフが、必死に作業をしております。けれど、全体的にはチグハグとした奇妙な光景ながら、その姿はとっても美しいのでした。

2006/9/ 5 [Tue]

The 元病院の借家、再び

今日は、3日にも撮影をした病院を改築した借家のシーンの残りの撮影です。 病院の入り口付近にある大きな木には、無数のセミの抜け殻がくっついていて、スタッフの誰かが、それを並べて作品を作っていました。シュールでステキで、夢に出てきそうです。

2006/9/ 6 [Wed]

宣伝マン、欠席

今日のロケは、山梨まで移動しての撮影。しかし、私は今日は会社で会議のため、欠席してしまっております。台本上でも、印象深いシーンになろうと思われる箇所だったので、残念。


2006/9/ 7 [Thu]

お色気シーンはお好き?

『東京タワー』は、老若男女を問わず、誰が見ても深い部分の感情が揺さぶられる作品にすべく、現在、鋭意撮影中であります。
なので、成人向け(?!)の描写も特にないわけなのですが、今日撮影したシーンは、ほーんの少しお色気的要素があったりなかったり…と、なると、スタッフ一同、俄然張り切ってしまうものでして、いつもならスタジオは、セットの組まれている一角以外にも、スタッフがぱらぱらいるものなのですが、今日は撮影用のカメラの周辺に、何故かミッチリと全員集合です。ま、偶然なのかもしれないのですが。おほほ。

2006/9/ 8 [Fri]

「けん引」

映画やテレビなどを見ているときに、よく運転しているシーンなどを見掛けることがあるかと思いますが、それってどうやって撮っているのだろう、と不思議に思われたことはありませんか?今日は、「けん引」と呼ばれる撮影。劇用車(撮影用の車ですね)は、自走するわけではなく、前方を走る車がレッカーの様にけん引して引っ張ってくれます。なので、俳優の方々は、運転せずに、運転している演技をすることが出来ます。
けん引のシーンは、セッティングが大変です。近くに公園のある駐車場をベースにして、作業が開始します。公園をゆるりと犬の散歩をしている方々の横で、スタッフはみんな朝っぱらから重い機材を設置したりして、ひいこらです。また、公道を走るわけなので、信号のタイミングから、エキストラの動きまで、とても神経を使う撮影になりました。

2006/9/ 9 [Sat]

スクールデイズ

高校を卒業してから、もうかれこれ10年近く(?)にもなる私ですが、それでも、高校に通っていた頃のことを昨日のことの様に覚えております。
今日みたいに学校でのロケがあると、教室の匂い、玄関の匂い、体育館の匂い、そんなので、あれやこれや思い出されるのです。さして甘かったりステキな思い出があるとも限らないようなものですが、それでも高校というものは大人になった今でも特別な感情を与えてくれます。
今日はピーカン照り。エキストラの方たちも、みんな制服に着替えて、教室はさながら本物の学校のよう。これまた高校を卒業してから随分たつスタッフも制服姿でエキストラに参加させられたりして、爆笑を買っていました。
「ボク」のショッパイような、でもちょっと甘い青春の1ページです。若さとは、若いということだけでひたすら素晴らしくて、恥ずかしくて、切ないものだなあと感じ入るのです。


2006/9/10 [Sun]

撮休

2006/9/11 [Mon]

嗚呼、おふくろの味



高級な珍味だったり、予約の取れないレストランだったり、世の食文化も様々ですが、やっぱりどうしたって忘れられないのが「おふくろの味」。『東京タワー』の中には、そんな「オカン」の作った色んな、愛に溢れた料理が出てきます。「ボク」は、そんな「オカン」のお手製の温かくて優しい母の料理を食べて育ったのです。
ちなみに、映画の中に出てくる料理は、フードコーディネーターという専門のスタッフが作っています。スタジオで、スタッフがバタバタと作業をしていたら、どこからともなくヨダレがジョーと出てくるようないい匂いがホワッと漂ってきて、ふと後ろを振り向くと、スタジオの一角ではから揚げを揚げていたり、豚の角煮が艶やかでキレイに出来あがっていたりするのです。
人間が生きる上で、食というのは本当に根幹を成しているのだと、心底思います。母親の作る料理は、決して高級でもオシャレでもないかもしれないけれど、きっと愛という、最大の栄養素が入っているから、いつまでも忘れられない味なのだと、今日は何だかちょっと親孝行モードで思ってしまったりするのです。

2006/9/12 [Tue]

たくましい人たち

世の中には、どんなに厳しい状況下でも生き残れる種類の人たちがいます。現場のスタッフというのはまさしくそういう人種(?)に属すると、本当に常々思うのです。
映画の撮影の出発は、全く何もないところから始まります。ゼロから、脚本が出来てきて、セットが組まれ、小道具が用意され、照明が焚かれ、そして役者さんが衣裳を着て、メイクが施されて、演じる。そしてそれを撮影して、音を録って、編集して映画になる。
そんな中で仕事をするスタッフは、何かと不測の事態に強いのです。とんでもない角度から照明機材を吊るしたり、カメラをセッティングしたり、そこら辺にある材料で何でも作れてしまうのです。無から有を生む、腕を持っています。
泰平の世だけでなく、戦乱の世でもしっかりと生きていける、たくましい人たちです。私は、というと、文系だし、手先は不器用だし、宣伝屋という職業はつくづく限られた所でしか生きていけないなあと思ったりもします。

2006/9/13 [Wed]

ロクデナシ、一本勝負

今日撮影するシーンは、自堕落ライフを謳歌している当事の「ボク」の周りの出来事。
聞くところによると、なんでも最近は、男はちょっとロクデナシぐらいがいい、などと言われているらしいですが、その点で言うと、この「ボク」のロクデナシっぷりは相当レベル高いです。オダギリさんの軽やかで楽しそうな演技により、オモシロクデナシな「ボク」が完成しています。
青春には色んな形がありますが、何も田んぼのあぜ道を自転車で二人乗りするとか、体育館の裏で告白するとかだけじゃなくて、こんな楽しそうなロクデナシな青春もステキだなあと思うようなシーンとなっていると思います。必見です。

2006/9/14 [Thu]

「ボク、働く!」

ところで、映画というのは、必ずしも完成した本編と同じ順序で撮影がされているとは限りません。撮影の効率を良く進めるために、例えばいきなり後ろの方から撮影したりすることもあるわけです。しかし、今回『東京タワー』は、基本的に順撮りをしていて、話の流れと撮影のスケジュールは、ほぼ順番どおりになっております。これは、お芝居のテンションをあまり変えなくて済むので、役者さんにとってはとても演じやすいわけです。
と、いう訳で、昨日までの撮影においては、「ボク」はいかんなくロクデナシっぷりを発揮していたわけなのですが、最低さ加減もついに底をついて、ついに今日の撮影の所から、本気モードに入るのです!仕事という仕事、何でも引き受けて、バリバリに働く「ボク」。原作の流れに合わせて、撮影の方も、自堕落を脱いで一歩大人の階段を昇った「ボク」の物語へと移行していくのです。

2006/9/15 [Fri]

東京、中心、ど真ん中

今までの所では、東京近郊ロケ、などはありましたが、今日はまさしく東京のど真ん中の撮影が集中した一日になります。
東京駅近くの道→東京駅→東京タワー、まさしくTHE東京デー。さすが都心は交通量が多く、撮影も緊張を強いられるものになりました。とりわけ、東京駅などは、通行する人もとても多いわけで、なかなかどうして、撮影部隊は大変です。サラリーマンや、旅行者や、いま上京したての人もいるのかな、何だか象徴的な画になっていると思われます。
そして、ナイターのシーンでの東京タワーは、本当に息を呑むくらいに美しくて、空気も澄んでいて、しかもとても幸せなシーンの撮影だったので、なんだかジーンと来るものがありました。

2006/9/17 [Sun]

日曜の午後・・・

クランクアップまで、あと1ヶ月を切るところに突入しました!早いものです!
通常ですと撮影は朝はやーい時間に始まるのですが、今日の撮影はゆっくりと開始。とはいえ、朝早く起きなくていいのだな、と思っていても、6時くらいには目が覚めてしまう身体になってしまって、何だか得をしているのか損をしているのか、非常に分かりづらい気持ちです。
今日は「オカン」が上京して、「ボク」と再び一緒に暮らしだすシーンの撮影。必殺「オカン」の糠床も登場して、家庭の温もりだとか、緩やかな幸せ感だとか、暖かい気持ちになるのでした。

2006/9/18 [Mon]

映ってはいけないもの、聞こえてはいけない声

撮影にまつわる恐い話をひとつ。撮影の時には、時として、聞こえてはいけない声が録れていることがあるそうです。以下、録音技師の方のお話。「あるホラー映画の撮影現場でのことでした。本番の撮影をしている最中に、子供の声が聞こえてきて、なんだ、ギャラリーの人たちの声でも入ってしまったかな、と思っていたら、周囲に集まっていたギャラリーの中には、子供は全くおらず、もちろんキャストにも子供はおらず、子供なんてそもそもどこにもいない。じゃあ一体誰の声が録れていたんだろう、と思うと、背筋がぞぞぞーっとしたものです。」
病院などでパチパチ写真を撮っていた私に、スタッフの一人が、「映っちゃいけないものが映ってるかもよ。」なんて恐いことを言い出すものですから、すっかりびびってしまったのでした。

2006/9/19 [Tue]

撮影所で暮らそう!

今日は、ボクとオカンが一緒に生活するようになって、しばらくたった、という設定のシーンの撮影。
いつもながらに、セットの素晴らしさに関しては、筆舌を尽くしがたいものなのですが、笹塚でオカンとボクが同居するマンションのセットは、撮影所の一角に建てられているとか忘れてしまう程にリアルです。だって、ベランダには、クーラーの室外機などまであったりして、台所とかもあるし、少し無理したら、本当に住めますから。

2006/9/20 [Wed]

ぴょんっ

少し前までは、都内ロケが多かった撮影ですが、今はみっちりと撮影所生活へと突入。わりかし単調になりがちな撮影所ライフに、華を添えてくれている存在がウサギさんたち。原作でも、「ボク」が飼っていた「パンとブドウ」です。本物の生きてるウサギが撮影所の隅っこで、キャベツの芯とかモリモリ食ってウンチしています。
生き物というのは不思議なもので、普段はダミ声の男性スタッフなんかもウサギの前では「なんだいお前?お腹空いたのかい?よしーよし」的な事を言ってて、気持ち悪い様な、ほほえましいような展開を見せています。

2006/9/21 [Thu]

拝啓 オカン様


「オカン」という人は、実に不思議な魅力を持っていた人だったようで、「ボク」と一緒に暮らす日々の中で、「ボク」の友達がどんどん「オカン」の周りに集まってくる、という現象が起きていました。「オカン」は「若い人はみんなお腹が空いている」という確かなる信念(?)のもと、息子の友達の為に美味しいご飯を並べたり、せっせと世話をしてくれる、「みんなのオカン」と化して行くのでした。
今日は、そんな騒々しくも温かい、賑やかなシーンの撮影。樹木さんは、朗らかで愛情深くて、芯の強いオカンを、独特の味付けで熱演していらっしゃいます。樹木さんは、オカンを「オカンが人生を、どう生きたか、を演じたい」とおっしゃっていました。それは、こういうことなのだなあと。オカンの人柄を描いた、このシーンは、映画の中でも輝いている、とてもステキな場面になっていることと思います。


2006/9/23 [Sat]

スタンドイン・デビュー


「撮影の際には、通常、カメラ位置だとか、照明の当たり具合だとか、細かくセッティングをしてから、役者の方に入ってもらって演技を撮ります。その、セッティングをしている最中も、じゃあ実際はどんな具合にカメラに映るの?という按配をチェックするために、スタンドインといって、演出部のスタッフなどが役者さんと同じ動きをして、段取りをしてみます。
その、樹木さんのスタンドインを、いつの日からか、どういう訳だか、わたくしめが担うことになっておりました。(写真はボクと電話をするオカン役の樹木さんです)
しかしながら、我ながら、もうビックリするくらいに演技の下手な私のことです。「動きが違う!」とか「右手じゃないっ!左手だって!」とか、日々、ピンボケな動きをしては、現場に迷惑をかけております。そんな日に見上げる空は、秋の澄んだ空気で満ちていて、胸が締め付けられるように綺麗だったりします。


2006/9/24 [Sun]

とおりゃんせ


今日は、ボクとオカンが一緒に生活するようになって、しばらくたった、という設定のシーンの撮影。
時が過ぎていって、全てのものが移ろい行くのは世の常であると分かっていたとしても、受け入れるのが辛いのは変わらないのだと思います。自分が大人になるにつれ、親も老いてゆき、やがて来るべき日が来ることを分かっていつつも、心の準備などというものができるはずもなく。ただ漫然と日々は過ぎてゆくのでしょう。
「楽しい時間は、こうして鈴が坂を転がるように音色を残しながら足早に過ぎていったのです。」劇中での、ボクのナレーションのように。
「オカン」の闘病生活が始まりました。


2006/9/25 [Mon]

FMね、AMね?

「オカン」の闘病生活が始まったとはいえ、現場は相変わらず和気藹々としております。樹木さんは、芝居に入ると本当に「オカン」そのものなのですが、カメラが回っていない時には、スタッフやキャストを盛り上げる、陽気で鋭くて楽しい樹木さんへと戻ります。オダギリさん、よく爆笑していらっしゃいます。
そんな中、私は粛々とオカンのスタンドインを続けております。本当に俳優さんの仕事というのは大変なもので、今回は方言もあるわけですから、日ごろ使っている言葉と違う節回しで、しかも自然に口にするのはとても難しいことと思われるのに、いかにもサラっとやっていらっしゃいます。
そこがやはり私なんかがやると、トーシローなものですから、スタンドイン中に、筑豊弁のつもりで「FMね?AMね?」(劇中にそういうシーンがあるのですね。チェックして下さい。)と渾身の演技でもってやってみたところで、スタッフ一同から、激しい失笑を買うのみなのです。

2006/9/26 [Tue]

冷たい床

病院というのは、ただいるだけでも、何だか病院的なものを感じるのは、それは多分消毒薬の匂いとか、漂ってくる雰囲気のようなものから感じ取っているのかなあと思います。
しかし、ちょっと待って。ここはセットです。映画『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』の病院のセットのはずです。本物の病院でないのに、何でこんなに病院的なものを感じるのだろうと、本気で思いますが。それこそがセットのリアリティーなのだと思います。ペタペタとした冷たい床。白い壁。しんとした廊下。病室の入り口には、本物の消毒薬のポンプまであったりして、気合入っています。
写真は小道具の病室の表札。オカンは中川栄子です。

2006/9/27 [Wed]

オカン、そして女の多面性

母親の、オカン的な姿というものは、冬のシチューやら午後のココアの様な温かさがあるものです。台所に立つ後姿の踵が逞しく硬くなっていたり、子供を抱く腕にコンモリと筋肉がついていたり、オカンの強さと温もりには、心の深い部分がホッとするのです。
しかし、当然ですが、母親はオカンであると同時に女でもあります。オカンの女性的な一面を見るとき、子は、知らないオカンの表情に戸惑い、照れくさくてこそばゆい気持ちになるものです。
今日の撮影シーンのオカンは、久々のオトンの登場によって女性的な部分が存分に出ていました。おもてなし感覚で、指輪をしたり、髪も綺麗に整えたり。樹木さんが娘さんのような輝きを見せております。
不思議なものだなあと思うのが、世のオトンというものは、オトンであり同時に男であることが成立しやすいものですが、世のオカンという生物は、オカンであると同時に女であることを意識しにくい。それはオカンというものの、ひいては女の人の多面性なのかなあと思います。と同時に、ただの私の深読みかもしれません。

2006/9/28 [Thu]

アナーキー靴下の巻


撮影もいよいよ大詰め。連日、結構重たいシーンの撮影が続いております。オカン役の樹木さんと、ボク役のオダギリさんの熱演により、傍から見ていると涙が出そうになる瞬間もあります。しかし、現場は、湿っぽくならずに、皆プロとして仕事をしております。ホントに凄い。監督の「カット!」の声がかかった瞬間に、樹木さんが、面白いことを言っては皆爆笑。この切り替えが、プロなのだなあと感じ入ります。
そして、先日からお伝えしております、私のスタンドインも続いております。大事なシーンは、セッティングもとても細かくコダワリを持って詰めていきます。ベッドで寝ているシーンが多いのですが、スタッフの熱のこもった姿を見て、私なりに熱のこもった演技をしてみたりしています。ベッドの上で、治療を受けるオカン。と、みんなの指摘を受けて気づいたんですが、いやほんとビックリすることに、私の靴下に穴が開いているではないですか。おっっと。しかも片足じゃなくて両足。おっっっっと。
嫁入り前の娘が、両足の靴下に穴を開けながらスタンドインをしている心意気を、是非とも買って欲しいものです。


2006/9/29 [Fri]

大将のお話

映画における大将は監督です。監督は、日々、数え切れないような決断を迫られ、悩みを抱え、撮影を進めていかなければならない。実にハードな立場です。
『東京タワー』の大将は、松岡錠司監督です。セッティングの最中はスタッフと細かいシーンの打ち合わせをしつつ、シーンとシーンの間では役者さんに演技を指導しつつ、そして撮影が終わってからもまだまだ、我々宣伝部などが「監督、監督」と呼び止めて、宣伝に関してのああだこうだという面倒なお願い事を聞かなくてはならない。(すみません・・・。ありがとうございます・・・。)お昼休みも食事中も誰かしらと、何かしらの打ち合わせをしている。
監督の仕事は大変です。気苦労も絶えません。我々スタッフは、大将についてゆき、そして映画の撮影は続いてゆくのです。

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