2006年08月 ARCHIVES

2006/8/ 3 [Thu]

撮影レポートを随時お届けします!

はじめまして!
松竹宣伝部の寺西 史と申します。
この度、皆さまご存知の、大ベストセラーとなったリリーフランキーさん原作『東京タワー』の待望の映画化が決定致しました!!!。
映画のクランクイン(撮影開始)を間近に向かえ、今後撮影日誌をお届けしていきます。
この特別な映画の撮影現場の雰囲気が、少しでも皆様に伝わりますように。
今日は、宮城県と岩手県の県境近くにある、映画『東京タワー』のロケ地に向けて出発!夕方東京を出発、ハイエースは高速道路を疾走して、夜近くになって、ロケ地付近の宿に到着しました。遠くに花火が上がるのが、車窓から見えました。夏ですね。 今日は遅いのでロケ現場に行かずに、とりあえず休息をとることとします。

2006/8/ 4 [Fri]

ロケ地オープンセットにて

今日は、ロケ地となっている宮城のオープンセットに初めて足を踏み入れました。
これが、本当にすばらしいセットで、驚愕です!もともとあった鉱山の社宅跡に手を加えて、映画の舞台となる昭和30年代〜40年代の筑豊の情景を再現しています。 美術のスタッフは、5月頃から現場入りして、この素晴らしくも、最高にかっこいいセットを作るために、日夜奮闘をしていたのだそうです。
本当に、すぐそこの路地から、膝小僧を擦りむいて、真夏の太陽を浴びて、いっぱいいっぱい汗をかいた、若き日の主人公の「ボク」が走って出てくるような、そんな空気が漂っています。

2006/8/ 5 [Sat]

宮城の夏

今回の『東京タワー』の撮影のロケ地が宮城県と初めて聞いたとき、今年の夏は涼しく過ごせそうだと思っていた私は大変浅はかであったなと痛感するわけです。そうです、宮城は暑いのです。ジリジリと太陽は照りつけて、東京で生っ白い生活を送っていた私の肌は一発でダウン。顔からも、腕からも汗は流れ続け、身体が干上がってゆく様が分かります。もちろんトイレなんて行きません。水分は全て汗で出てゆきます。そして、キンキンに冷えた水を飲む時、これ以上の幸せはないと、毎回本気で思ったりするわけです。 宮城の夏は、これからが本番です。

2006/8/ 6 [Sun]

手抜きナシの暑さ

それにしても、連日猛烈に暑いのです。手抜きナシの暑さです。
食欲が減退していって、アイスとか、冷たいものだけで済ませたいと思ってしまいます。
撮影はまだ開始していないのに、諸準備の段階ですでに夏バテをしてしまっている怠けた自分の身体にカツを入れつつ、空を見上げると、奮闘している我々をあざ笑うかのごとく、太陽は毅然と輝きまくっています。

2006/8/ 7 [Mon]

クランクイン(撮影開始)です。

ついにこの日が来ました。クランクイン(撮影開始)です。若かりし日々の父親「オトン」と、幼き日々の主人公「ボク」、そして「オカン」と「筑豊のおばあちゃん」のシーンです。
室内のシーンは、家のセットの中で撮影が行われます。照明機材の出す熱と、スタッフの出す熱気で、セット内はそれはそれはムンムンになるのでした。
そして、この映画を素晴らしいものにしようという。スタッフのそれぞれの熱い想いが、きっとフィルムの中に映り込んでいることでしょう。

2006/8/ 8 [Tue]

汗をかきつつ、撮影は進みます

今日も室内のシーンです。「ボク」が家族と一緒に暮らしていた頃の、「オトン」の記憶。若きオトンを演じる小林薫さんは、最新技術の結晶であるところの特殊メイクを施して、酩酊していながらも、どこかしら飄々としたオトンを熱演していらっしゃいます。
撮影は、小倉の家のセットの中で。外はまたしてもガンガンに晴れまくっておりますが、室内のセットは夜の設定で、暗く遮蔽をしております。ダバダバに汗をかきつつ、撮影は進みます。スタッフ全員が今日流した汗は、いったい何リットルになるのでしょうか。さて。

2006/8/ 9 [Wed]

気まぐれな天気

昨日までの凶暴な太陽はお休みしており、今日はあいにくの雨。台風の北上に伴って、ザシザシと降ったり、突然やんだり。こちらの天気は、それは気まぐれなのです。
しかし、いきなり雨が降り出したときのスタッフの動きは、相当にかっこよいものです。外に出ている機材を、雨に濡れない様に軒下に入れたり、その動きにムダや迷いはない。職人の技を感じます。

2006/8/10 [Thu]

こちらは虫天国

撮影中に悩まされているものは、天気だけではありません。撮影現場が広大な自然に囲まれた地域ということもあり、こちらは虫天国なのです。
クワガタやカブトムシのように、一般的に喜ばれがちな虫も多くいる一方で、アブやらブヨやらハチやら、その他名の知れぬ様々な虫たちが、悪さをします。
短パン姿のスタッフの足は、虫刺されでボッコボコになっています。奴ら、ジーンズの上からでも余裕で刺します。負けます。

2006/8/11 [Fri]

田んぼ道での撮影

今日は、原作でも印象深かった、「ボク」のおばあちゃんが登場。このシーンの撮影はいつもの現場から少し離れた坂道での撮影になります。おばあちゃんが、うんしょうんしょと引くリアカーは意外と重い。そして坂道は意外と急。しかもクレーンを使った大掛かりな撮影です。
その後は、場所を移して、田園風景の広がる田んぼ道での撮影。さんさんと優しく降り注ぐ太陽に、さやさや揺れる、青く深い一面の稲穂・・・。という美しいシーンのはずが、突然の土砂降りに遭遇してしまうのでした。
頭のどこかが飛んで、気持ちよーくなるほどの大雨。ビシャビシャになりながら、田んぼの方を歩いていたら、蛙クンたちが大喜びでぴょんぴょんしておりました。楽しそうでした。
なんだか今日は、青春って何だろう、と考えています。

2006/8/12 [Sat]

電波を捜しながら徘徊

ところで、今日は携帯電話のお話です。普段の撮影現場での私の携帯電話は、恐ろしく電波が悪くて、常に留守電状態。
定期的に留守電をチェックして、後で折り返し、を繰り返していてとっても不評なのでした。切ないことです。今日も現場付近を、電波を捜しながら徘徊する日々です。
湿度が高い日は、電波が弱いような気がします。なんとなくですけど。

2006/8/13 [Sun]

撮休

今日は撮休。撮影はお休みです。
スタッフそれぞれ、日々の疲れを癒して、明日の撮影に臨みます。


2006/8/14 [Mon]

エキストラさんの登場

映画の中で活躍するのは出演している俳優さんだけではありません。今日は映画に欠かせない、エキストラさんの登場です。
またしてもカンカン照り、活気あふれる筑豊の町を行き交う人々のシーンです。広い画のシーンなので、エキストラの方々の出るタイミングを合わせるのに、演出部は汗だくで走り回っているのです。何気ない通行人にも、一人一人決まった動きがあって、映画って本当に多くの人々の手で作られているのだなあと感じ入るひと時です。
余談ながら、この日も照りつける太陽で、私の日焼けは一段と照りが増したようです。

2006/8/15 [Tue]

秋のシーン

今は夏まっさかりで、セミなんかも満喫しまくって、全開サマータイムなのですが、撮影は夏のシーンだけとは限りません。
今日は秋のシーン。マフラーを巻いて、すっかり秋の装いの主人公「ボク」。しかし実際は雨混じりの湿度ムンムン、不快指数は振り切れております。汗か雨か、はたまた涙か。
スタッフの顔には、様々な水気が浮かんでは流れ、夏の夜は過ぎ行くのでした。

2006/8/16 [Wed]

「ポカソ」

なにぶん暑いもので顔からも、腕からも、足からも、体中の水分は容赦なくどんどん出て行きます。
そんなスタッフたちの命の源は、製作部が用意してくれる「お茶セット」。キンキンに冷えた麦茶やポカリ、アクエリアスなどを各自が汲んで、撮影の合間合間に飲む。美味い!
「ポカリ」が「ポカソ」になっていることもありますが、それはご愛嬌。
2006/8/17 [Thu]

マスコミの方々の取材

さてはて、今日は私ども宣伝のお仕事に関してのハナシです。
皆さんも、TVや雑誌、新聞などにて、何かの映画の「撮影現場レポート」を目にすることがあるかと思いますが、あれこそズバリ、宣伝屋がやっている仕事なのです。マスコミの方々に、映画の撮影現場に来ていただき、TVや雑誌、新聞にてその模様を載せて頂く・・・。今日はまさしく、そのマスコミの方々の取材日。
なのに、雨。しかも結構本気の大雨。撮影が中断したり、ドタバタしてズブヌレになってしまい、笑いが出て来るほどでしたが、どうにかこうにかスタッフの皆さんに迷惑をかけつつ、監督と樹木さんの合同取材をやることが出来ました!皆様ご協力ありがとうございました。

2006/8/18 [Fri]

さよなら宮城の夏

世の中は、海だ山だ恋だと夏を満喫している間に、我々東京タワースタッフの宮城での夏は、いよいよ今日をもって終了となりました。
ギンギンな太陽だったり、転じて土砂降りの雨だったり、虫だったり、色々と悩まされはしましたが、思い起こせばあっという間の2週間。これから東京に戻ったら、きっとハイペースな街のスピードに付いていけないのだろうなと思いつつ。
美味しいお米、生き生きしてキラッキラな野菜、宿の方々、市の方々、エキストラやボランティアの方々。皆様のご支援なしには成立しなかった宮城ロケでした。感慨深くそんなことを思いながら、高速を抜けて東京に戻ると、今夜も変わらず東京タワーが暖かく瞬いていました。

2006/8/19 [Sat]

撮休とラッシュ

8月19日、20日、21日と撮休でした。
21日にはラッシュ。
ラッシュとは、今まで撮影した映画のフィルムをつないで一通り見るという作業です。


2006/8/22 [Tue]

次のロケ先、福岡へ

東京に戻り、各自英気を養いつつも諸準備に追われ、あっという間に次のロケ先、福岡への移動日となりました。飛行機では、一眠りの間に到着。しかし、撮影機材を載せた車は、延々東京から運転して運ばなくてはならず、車両部の皆様は大変なのです。
福岡はさすが南国だけあって、日差しが違います。宮城に比べて、太陽が断然トロピカル味を帯びています。今日は移動とロケハンのみ、明日の早朝の撮影に備えて、各自ゆるりと小倉の夜を楽しむこととします。今夜の晩御飯はカレーです。

2006/8/23 [Wed]

田園での撮影

のどかな田園での撮影でした。単線の電車が通るたびに、スタッフ一同手を振ります。
美しい福岡の風景の中での、「オカン」と「ボク」の、美しい親子のシーンとなっていることでしょう。 そしてそして今夜も九州の美味いものをたらふく頂きましたとさ。

2006/8/24 [Thu]

駅、そこは人間交差点

スタジオや、ひとけのあまりない所での撮影に比べると、公共の場での撮影は大変です。
今日は駅での撮影。普通に駅を利用する方々もいるわけで、でっかい照明機材などが置いてあると、当然の様に目を引きます。
騒ぎにならないように、且つ、皆様の迷惑にならないように。注意を払いつつ、撮影が続きます。

2006/8/26 [Sat]

小倉、朝のホステス

以前、映画の中に登場するエキストラさんの存在を語りましたが、スタッフがエキストラとして参加することもあります。と、いうわけで、今日は私のエキストラ体験記です。
役は小倉のホステス。朝2時から、他のエキストラさんと共にメイク開始。繁華街の設定だけに、皆さん結構ケバイです。かくいう私も、ばっちりアイメイクに加えて付けマツゲを付け、完了。我ながら何と表現すればよいか悩む、ちょっとグロテスクな顔となりました。
いざ芝居となると、動くタイミングとか、いちいち間違ってしまうし、なかなかどうして、本当に役者さんのお仕事というのは大変だなあと、少しだけ垣間見ることができた気がしました。

2006/8/27 [Sun]

「東京タワー」東京篇撮影開始

これまで、宮城や福岡、と、地方ロケが多かった本作ですが、今日から東京での撮影が開始されます。スタジオでの撮影。ロケ地まで車でゴトゴト移動したり、晴れてみたり、雨降りだったり、気まぐれな女子の様な天気に悩まされることもないのがスタジオです。
薄暗いスタジオのセットの裏に、秘密基地のような仕事場を作って、今日はそこでパタパタとパソコン仕事に興じております。スタジオって、部室みたいだなあと思います。あ、でも汗臭いとかではなく。

2006/8/28 [Mon]

東京タワー考

思い返してみると、私は昔から東京タワーが好きでした。何だか気分がモヤモヤする日は、会社から1時間くらい東京タワーまで歩いてみたりしておりました。人が東京タワーに惹かれるのは何故なのでしょうか。あと、東京タワーというものを語る時、誰もが若干おセンチになってしまうのはなぜなのでしょうか。
今日は、この物語の題名でもあるところの、東京の象徴のど真ん中、「東京タワー」前での撮影。あの時、上京した「ボク」の心を去来したのは、どういう想いだったんだろう、東京にどんな希望や恐れを抱いていたんだろう、なんて、柄にもなく、ちょっと詩人になってしまうのでした。

2006/8/29 [Tue]

匂いたつ玄関、の巻

8月も残り僅かとなってきて、夏の終わりを感じる今日この頃です、なんて言うにはまだまだ暑いのですが、そんな残暑もなんのその、今日も撮影は快調です。
今日のロケ地には、ちょっとばかり発情期(?)なワンコがいて、これが相当かわいいのです。が、なぜか男子の方がお好みみたいで、女性スタッフはおもむろにシカトされています。
撮影場所は、狭いアパート。スタッフ一同、ひしめきあってセッティング。なので玄関は靴だらけ。今、この時点の瞬間人口密度の高さは日本でも有数のことでしょう。
今日のシーンは「ボク」の自堕落ライフを描いたシーンですが、やっぱり自堕落というのは中途半端であってはイカン。「ボク」のダメっぷりは、それはもう一本突き抜けた、正しく凄まじく楽しいことになっています。こんな頃もあったなあなんて、皆さんも思い当たる節があるのでは?ないかしら?

2006/8/30 [Wed]

夏の終わりに…

東京での撮影も快調に進んでいます。そろそろ学生の皆様は学校が始まるなあと憂鬱で、夏の終わりを身体中で感じていらっしゃることでしょう。
我々撮影隊のスタッフは、夏が終わりつつあることに、ちょっと感慨深くなってみたり、「アタシの夏を返せー」なんて、空とかに向かって言ってみたりしています。

2006/8/31 [Thu]

大人の街、新宿

今日は、大人の街、新宿で、大人なバーでのシーンの撮影。設定は夜ではありますが、光の差し込まない室内なので、朝イチで撮影をしてしまいます。
ロケ場所がとても狭いので、スタッフは中に入る班と、外で待機している班とに分かれています。
お昼近くなると、撮影場所付近の飲食店が仕込みをしているようで、すきっ腹にはその美味しそうな匂いがたまらないのです。

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