No.002 松田晋二・菅波栄純(THE BACK HORN)
(7)東京や地方の人とも分かち合いたい
松田: そのね、福島、逆に、逆の立場でなんかその東京とか地方の人らに、福島っていうのを一回覗いてもらうっていう、そういう楽しみも…。
箭内: だからほんと、喜多方ラーメンとかいろいろ「福島ロックンロール食堂」って言うフードエリアができる。
松田・菅波: いいですねえ。
箭内: あと芋煮会でやったあの汁ね、芋煮汁。
松田: 芋煮会やりましたねぇ。里芋。
箭内: ちょうど10月だからキノコとか芋とかうまい頃だと思うんだよね。
松田: 山菜ぜんまいとかですね。
菅波: そういうのうまいんだよなー。
箭内: 松田くんちのお母さんとか店出してくんねえの?
松田: まじすか?
箭内: 料理作って。
松田: ちょっと聞いてみます、1日かけて。たぶんやりますね。
箭内: やる? 菅波家もやる。
菅波: どうすかね、ウチの親は。
箭内: すごい人気になるよ、二人の親の店出たら。
松田: 正直なんか、許可みたいななんか、保健みたいな。
箭内: それは福島民報さんがやってくれんだよ。
松田: ほんとすか? かあちゃんであれば大丈夫みたいな。
箭内: かあちゃんであれば、うん。調理師免許持ってる人がちゃんと付き添ってればきっと。
松田: じゃあ結構いいメニューが出てくっかもしんないですね。
箭内: 出てくっかもしんない。
菅波: かあちゃんていうと。
松田: だから要は田舎の母ちゃんの味が食えます、みたいな。
箭内: いいね。
松田: 栄純のかあちゃんなあ、たぶん作るほうより見るほうが好きだろうからね。
菅波: あ、そうなの。
松田: どこまでも来ますからね、全国の。
箭内: ダイブしたりすんの?(笑)
松田: それぐらいの勢いですよ。(笑) 現実的にそれはあれですけど。いやでもね、これすごいね、福島。福島の人ら。いやほんと複雑なのが…もうそろそろ終わりですよね。複雑なのが、福島がもっともっとこう発展、発展というかにぎやかになって欲しいっていう気持もすごいあるんですよ。言ったら福島にディズニーランドが出来るとか、なんかそのドームが出来るとかみたいな。
箭内: そんな気持ちもあんだ? やっぱ階段登ってる人は。(笑)
松田: そんなんじゃないですよ。そうなったら、もっと福島の中だけで楽しめる人も多いだろうと、こんな退屈な町って思わなくなるだろうと、俺みたく。思う人もいんじゃないかな、と思いつつでもそれが出来たら今の福島のそのムードの良さって言うのは絶対崩れるなって思うんですよ。何か変な都会に、都会の中途半端みたいな感じになっちゃうなっていうのもあって。
箭内: まあね。
菅波: まあね。
松田: そのままであって欲しいってのと、だから複雑ですよ、観光大使。
箭内: まあ崩れ始めてるよ。
松田: まじすか。
箭内: 一つ大きいのはあれだよ、男女共学になっちゃってるんだもん。
松田: わかる!!もう。
箭内: それ絶望的だよ。
松田: すっげー絶望ですよね。
箭内: あれでも男子校だったよな。
菅波: 俺は…
箭内: 共学だった? そん時。
菅波: 俺ん時からたぶん共学になったぐらい。俺らか俺らの上のからか。
箭内: 俺らん時は中学全員坊主で、高校全員男女別学。
松田: 一緒ですね。
箭内: もう、道ですれ違う時どんだけドキドキしたか。
松田: ほんとにそうですよね。
箭内: 女子と。
松田: あのだから抑える教育ですよね、どっちかっつうと。欲望を抑える教育。
箭内: そんでそれが山口くんとか、それで爆発するんだよね。ある日突然点火されて。だからマグマの溜め方がちょっと難しくなってきたんだよね。
松田: かもしんないですね。
箭内: ディズニーランドができると更に難しくなると思う。
菅波: 退屈、一応退屈な場所も残しといたほうがいいんじゃない。
松田: うんそれは残しといたほうがいいと思う。退屈だもんね…退屈じゃなかった? 逆に言うと。青春自体が退屈の塊っていうのもあるけど、町的にはさ。ま、須賀川は退屈じゃないか、結構あふれてるか?
菅波: 危険がいっぱい。危険はいっぱいだよ…。
箭内: 危険がいっぱい?
松田: だから危険が生まれるんだよ。退屈だからとりあえず金カツアゲするしかないんじゃない。うん、そこで楽しむっていうか。どっかでやられるほうもこわいんだけど、なんかそれがこう異様にひり…。
菅波: イベント的な。
松田: そうそう、ひりひりする。
菅波: イベント化してたんだ。
松田: なんか変な話だけど。
箭内: うらやましいよ。この二人はやっぱ何か、俺そういうのは憧れあるよ。不良への憧れみたいな。それを通らずに来ちまったから今から急いでなりたいなと思って不良に。(笑)
松田: 不良に。でも世代的には箭内さんたちの頃のがすごかった。
箭内: いやすごかったよ。
松田: 逆に俺らのはもうちょっと遊びっぽいけど。もっとそれが本格的な。
箭内: ジャンプしてみろって。俺何回言われたことか。ポケットにチャリンって音がするから。だから札(さつ)が欲しいってわけじゃないんだよね。(笑) 小銭欲しいんだよな、小銭をカツアゲしたいんだな。
菅波: 確かに。小銭持ってかれますよね。
松田: 俺ジャンプしてもチャリンっていわない隠し方すげえ研究しましたからね。ここのジーパンのちっちゃなポケットあるじゃないですか、あそこに入れとくとチャリンって言わないです、意外と。
菅波: 靴下に入れとけばいいんじゃない。
松田: 靴下も大丈夫ね。
菅波: テッシュで包んでとか。
松田: おめー結構研究してんな。
菅波: 俺はやられる側だったからね。
松田: なるほどね。
箭内: 松田くんはやる側?
松田: 両方ありましたね。だから両方の気持ち分かります。
箭内: 両方の気持ちわかるって言うと何かいい話に聞こえるけどさ。カツアゲした人の気持ちだろ、半分は。(笑)
菅波: した人間だからな。
松田: 違いますよ。それは先輩に言われてるから、いたしかたなくやるわけです。気持ち的には。
菅波: 罪悪感あった?
松田: それやんないと自分も先輩にやられっから。何か先輩っていう解釈も面白いけどな。
箭内: ま、そんであれだよ。当日は今さっきみんなで話し合って決まったけど最後にね。一番あのグランドフィナーレのとこで、菅波栄純率いる…。
菅波: 出た!
箭内: スペシャルオーケストラの結成の動きがあるよな。
菅波: なんかさっきそう言われて、バンマスに指名されて、We are the Fukushima. We are the Fukushima.♪
松田: カバー?
菅波: カバーっていうか。We are the Higashishirakawagun♪ 別にほかの地方から来た人はそこはIbarakiでもいいし。
箭内: なるほどね。
菅波: そこは自由、ほんとに自由に。自由に強制はなく。
松田: それいいかもしんないね。
菅波: 俺そのサビんとこしか知らないから。それ以外のとこは。
松田: あんま先もわかんね…
菅波: 俺もWe are the… 何とかってしか知らない。
松田: ま、そこ、なんかソロ回し的な感じになってくのかな。そうだよな。その中に東京の人ってたぶんいないわけだよね、正直ね。
箭内: 東京の人はいない。
松田: ある種地方、「ビバ!地方!」っていう。
箭内: 地方フェスだな。
松田: って感じの。福島版みたいな。東京、ここに東京出身とか入れるとまたね、話は深くなってくんだよなやっぱ。
菅波: 単純に出身ってことだったら一応、一応その東京っていう地方の人ってふうに見てあげてもいいんじゃない、優しく。
松田: 見れるかね、そんな眼で。(笑) 見れるかね。俺はいいけど、みんなが見れるかね。
菅波: 松はいいけど。(笑)
松田: そんな眼で見れるかね。
箭内: でも東京の人は俺一番えらいと思うよ。俺らこんな押し掛けて来てさ。
松田: 確かにそうですよね。荒らしてく。(笑)
箭内: ごみ、散らかして。
松田: 逆に、もう一個その東京の田舎感ってのも聞いて見たいんですよ。東京の幼少の頃って言うか、東京に昔から住んでる人の…。
菅波: そう普通にだってたとえば用賀のあたりとかに住んでた人は、公園あっばい?
箭内: 砧公園。
菅波: あれとかで蝉採ってたって言ってたよ。普通に。だから一緒っちゃ一緒ってとこが。
松田: そこもちょっと分かち合いたいよね。
菅波: 分かち合えると思う。
箭内: 必ず言うのが「帰る場所があっていいね、あんたたちは」って言われるよね。
菅波: それは言われる。
松田: いや別に捨ててきてっけど。なんで?
箭内: そんな対立しなくてもいーじゃん。(笑)
菅波: なんで対立すんのそーやって。
松田: やっぱコンプレックスよね。東京はすごい、みたいのが自分の中で有っちゃうから、そういう目でやっぱ見ちゃう。
箭内: コンプレックスあんだ。
松田: 負けたくない、みたいな…勝ち負けじゃないんだけど、うらやましいかな。生まれた瞬間に山手線乗ってるとかさ。何才で渋谷行ったとかさ。すんげーうらやましーにょ。
箭内: “うらやましーにょ”。
松田: ウラヤマシーニョ現象だよ。
一同: (大笑)
箭内: って言うわけで大丈夫かな。えーということで、10月17日の夜ね、えー、土曜日の夜、ふくしまFM、ふくしまFMって郡山にあんのかな。
松田: 郡山にあります。
箭内: あそこでもう行ける人みんなで。
松田: 集まって。
箭内: 集まって三次会か四次会くらいだな、その頃。
松田: そうですね。
箭内: 生放送。
松田: これ時間的には何時からやるんですか。
箭内: 福島での生は午前三時なんだよね。どういうふうに考えるかだね。東京だけが一時半なんで。
松田: なるほどなるほど。
箭内: 二発やるか、東京は一時半から東京向けの放送して。
松田: そうしましょ。
菅波: すげえしゃべんだなそれ。
松田: いや、しゃべりますよ俺も。
箭内: そんなに遅くまでしゃべってて次の日ライブ大丈夫?
松田: あの、ま、出番にもよるんですけど。一発目だったら正直きつい。ま、そこは頑張ります。福島県人として。
箭内: はい。
松田: 楽しみにしてます。
箭内: え、では今日はですね。緊急、風とロックFES福島開催決定スペシャルということでザ・バックホーンの福島県人チーム、菅波栄純くんと松田晋二くんをゲストに迎えました。
松田・菅波: すんませんでした、いろいろと。
箭内: ありがとうございました!
松田・菅波: ありがとうございました!!
箭内: 風とロック 箭内道彦でした。
(収録終了後)
箭内: はい、おもしろいな、でも話し合ってくうちにライブのコンセプトが決まっていくのがいい。
松田: 固まってきますよね。
菅波: 何か見えてきましたよね。
箭内: みんなで作ってるライブ。
菅波: やってるうちにわかってきた。
No.002 松田晋二・菅波栄純(THE BACK HORN) 『福島ロックンロール会議』
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松田晋二・菅波栄純(THE BACK HORN)
松田晋二 Shinji Matsuda THE BACK HORN リーダー/ドラム
1978年生まれ。東白川郡塙町出身。白河高校卒。
菅波栄純 Eijun Suganami THE BACK HORN ギター
1979年生まれ。須賀川市出身。日大東北高校卒。---------------------------------------------------
箭内道彦 Michihiko Yanai クリエイティブディレクター
1964年生まれ。郡山市出身。安積高校卒。
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