本日のゲストは高須光聖さんです。
僕は音楽を聴いて泣くことがありません。
正確に言うと、音楽そのものが僕の涙腺を刺激することはありません。
三十数年、僕は音楽を聴いて泣いたことなんて一度もありませんでした。
何で音楽聴いて泣かなきゃいけないのか。アホじゃないのと思ってました。
音楽はテンションを上げたりカラオケで歌う練習のために聴くものであって、
音楽聴いていちいち泣くとか意味が分からん。そんなに癒されたいのあんたら?と思ってました。
生まれて三十数年後。
今でも、音楽を聴いていちいち泣くとか意味が分からん。
そんなに癒されたいの?と思ってます、正直。
でも、びっくりするぐらい泣くようになりました。びっくりです。
もう1人の自分が、おいおい泣いとるでこいつマジか気持ち悪いの~、と耳元で言います。
音楽を聴いて自分の人生を振り返ったり、自分に置き換えたりは絶対にしません。
そうではなくて、その音楽の向こうに、どうしようもないウンコみたいな毎日を、
必死でごまかしながら生きてる子たちの顔が透けて見えると、泣いてしまいます。
子たちって何。ユニセフかお前。気持ち悪い。
僕が大っ嫌いだった10代の子供たちを相手するようになって2年半もたちました。
2年半か。早いな。そろそろ潮時かな。
彼らは、僕らの想像を絶するほど、ウンコみたいな毎日を必死でごまかしながら生きてます。
いや、僕らの想像力が衰えてたのかもしんない。それは分からない。
僕の10代も糞バエの糞みたいなもんだったし。
手首をうっすら切った痛みの間だけ、ウンコみたいにイジメられた今日の学校の記憶をごまかす。
音楽を聴いてる間だけ、若い男を連れ込んでセックスしてるオカンのあえぎ声の記憶をごまかす。
ごまかしです。でも腐ろうが手首切ろうが、それで今日死なずに済むなら、それでいい。
今は、そう思う。オトナになってからの人生は知らん。好きに生きてくれ。
オトナになったら、そこそこいいことあるよ。本心ではそう思うけど、
そんなこと言ったって未来のことなんかどーでもよくて、あいつらは『今』ツライんです。
聞こえるわけがない。だからそんなこと言わない。
ごまかしでも何でもいいから、今日は死なないでくれ。
彼らのどうしようもなくヘコんだウンコみたいな顔や、
今この瞬間の快楽に身を委ねて何かを忘れようとしている顔が透けて見える曲が、
僕にはいくつかあって、それを聴くと、どうしても泣いてしまいます。
BUMP OF CHICKENのsupernovaを聴くと泣いてしまいます。
レミオロメンのモラトリアムを聴くと泣いてしまいます。
銀杏BOYZのYOU&I vs THE WORLDを聴くと泣いてしまいます。
THE BACK HORNの涙がこぼれたらを聴くと泣いてしまいます。
多いな。たぶんまだあるけど。
ゆずの"いつか"と、"陽はまた昇る"を聴くと、泣いてしまいます。
ゆずの
『ARENA TOUR 2008 WONDERFUL WORLD』@横浜アリーナ
行ってきました。
こういうのを聴くとLIVE観る暇あったら仕事しろと思われがちですが、
僕にとって、ゆずの2人に会ってダラダラ雑談するのは、仕事以上にマストな時間です。
お前らのニューアルバムなんか、熱狂的ファンの何十倍も聴いてるわ。
それを可能な限り伝えるのも、仕事といえば仕事です。仕事って言いたくないけど。
悠仁も岩沢くんも、元気そうでした。
別に自慢するわけでもなんでもなくて、逆にちょっとイヤだったりもするんですけど、
ほとんどのLIVEは、関係者席で観るわけで、横アリは王様がオペラを観るような
ボックス席で観ることになります。
箭内さんは、関係者席でのLIVEの楽しみ方の作法が良く分からんと言ってましたが、
僕はLIVEでテンション上げるってよりも、歌うアーティストの向こうに、
何か透けて見えるかどうかを確認しに行ってるみたいな意味合いが大きいので、
そんなに困ってません。
さて。そんな関係者席の話が、編集されずに残ってるかどうか。
それは分かりません。まもなく、ラジオ風とロック。ゲストは高須光聖さんです。
(山本佳宏)