現場
まあ、言ってしまえばさっきのエントリーからこぼれた雑感なんでございますんで、
みなさま話半分でお聴きいただければと思いますが。
僕のやってる番組では卒業LIVEを毎年色々とやっております。
2006年はASIAN KUNG-FU GENERATION。
2007年はYUIとゆず。
2008年はくるり。
そして今年は、RIP SLYMEとチャットモンチー。
こんな感じです。
僕は生徒のみんなに、3年間を思い出してウェーンって泣いてほしくて卒業LIVEをやってるわけじゃない。
感傷に浸ってほしいなんて思ったことはないです。
学校のことなんて、教師のことなんて、友達のことなんて、忘れたって構わない。
思い出にすがるぐらいなら、捨てちまって構わないと思ってる。
卒業は、3年間積み重ねた記憶が、僕らの背中を蹴り飛ばして、行って来いと突き放す瞬間。
思い出は、ただのジャンプ台です。帰ってこれる場所ができたからこそ、帰ってこなくていい。
学校なんて大嫌い。なくなってしまえばいい。そんな思い出だってかまわない。
明日からは、そこから逃げる毎日だってかまわない。
逃げることができるのは、母校が生まれたからこそです。
どこまでも逃げてってほしい。
僕の中高6年間は、ロクでもない思い出しかないし、本当にダメな学校だったと今でも思う。嫌いです。
ただ、高校を卒業した瞬間、あそこから逃げて逃げて生きてきた僕にとって、
あの6年間は、間違いなく必要なものです。
嫌い。でも否定はしない。大事なもの。
大嫌いと、大事は、完全に両立します。
そんなことはどーでもよくてですね。
卒業LIVEをわりとやってきまして、今回は現場を離れております。
『監修』みたいな。
若手のみなさんに譲って、台本を見てここ直せだのここ足りないだの言ったり、
現場に立ち会って、「ああ、あいついるから多分このイベントは大丈夫だな」と思ってもらったり、
「あれやってないんじゃない?これ今やっといたほうがいいんじゃない?」とか言ったり。
『監修』っつーか、肩書き的には『安心感』みたいな。
すんげーつまんなかったです。
もう2度とやりたくない。
全部自分でやるか、もしくは完全に客として観るか。どっちかにしたい。
あー、俺も偉くなったんだなーみたいなありがちな感情は一切なかったです。
泥流の中に飛び込んでもがいてる方が、何百倍も楽しい。
カッコつけてるわけじゃなくてですね、単純に寂しくてスネてるわけですよ。
難しいですねーそういうのって。現場で自分をどの位置に置いていいのか分かんなくて、もぞもぞしてしまいます。
やっぱ、1つのコミュニティに居座り続けるのって、少なくとも僕にとっては、あんましいいことねーなーと思いました。
現場って変な言葉ですね。と思ったついでに『現場感』って言葉も変ですよね。
音楽関係のみなさまがよく、「このバンドには現場感がある」とか「現場を感じられなくてイマイチ」
とかおっしゃいまして、ケッ!!!!!!!!みたいな。
「お前ら録音が粗かったり叫んでたりしたら現場感つってるだけじゃねーかよ録音素材は録音素材だろアホか」
とか思ってすげーアンチ現場感だったんですけども。
現場感は現場で感じればいいし、現場で感じたことは全部現場感でいいんじゃねーの?っていうか。
(山本佳宏)終わりかい!!!! すいません尻切れトンボで。