自縄自縛
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さきほど出会いました良き言葉がございまして。
マリオ・アンドレッティという、プロ・レーシングドライバーがいまして。
ご存じの方はご存じだと思いますが、わりと活躍した感じの人ですね。
『なにもかも管理できているということは、ペースが遅すぎるということだ。』
そうだよ。僕たちのペースは遅すぎるんだ。
なぜだ。
未来を知りたがるからだ。成功を約束された未来へ行きたがるからだ。
自分や他人の手で上手に設計された未来に住みたいからだ。
今日と同じような明日がたぶんやってきて、あさってもきっとそうだろう。
先月と同じぐらいの収入があって、同じぐらいの貯金ができて、同じぐらいのローンを払う。多分。
きのうまでだって、同じような毎日を送ってきたんだから、間違いない。多分。
僕たち人間は、本当に未来を管理する能力を持っているのか?
将来を設計することは、本当に可能なのか?
そんなことの答えは誰もが知ってて、答えはNOだ。
でも、NOだと知ってる人の大半が、そのNOというコトバの意味を知らない。
明日死ぬかもしれない。でも死なないかもしれない。
明日死ぬかもと思ってたら、死ななかった。
それじゃ困るから将来設計をしておく。
明日生きていた時のため。
昨日作った明日の設計図
1年前作った1年後の設計図
18歳のクソガキの自分が作った40歳の自分の設計図
昨日の自分に管理される、今日の自分。
僕たちのペースは遅すぎるんだ。
(山本佳宏)