« 最初から読む前のページ次のページTOPへ »

パピーを育てる。    2007,09,14 17:09



子犬を、育てる。


犬はもともと、安産の神様とも言われるし


もしかしたら、人間が手をかけなくても育つのかもしれない。


けれど。


2007年のいま、現代の犬のほとんどは、


人間と一緒に、生きていく。


人間と仲良く生きていくことが、彼らのお仕事。


だから、彼らが人間と、人間社会と上手に順応できるよう


小さな心の芽生えの時期に、触れ、感じ、覚えることが大切だと、思っています。


生後20日を過ぎた頃、小さな小さな


白い歯が生えはじめる頃から、だんだんと


離乳の練習を、はじめます。


仔犬の乳歯はとても尖っていて、だんだん


ママ犬にとっては、おっぱいを据われることは痛そうで、


かわいそうになってくる。




だから、この頃から離乳の練習をスタート。


最初の一歩。


ママのおっぱい以外のものに、興味を持たせること。


浅くて丸いお皿に、お水を入れます。


お水を飲ところから、練習。


最初はなんの関心もなかった仔犬が、


だんだん、お水に興味を持って、くんくん。


鼻をくっつけ、顔を濡らし、これが「飲む」ものだと気づきます。




その一歩ができたら今度は、離乳食をスタート。


最初は、ほんとうにとろとろのお粥のようなものから。


お肉をペースト状にしたものに、おもゆに、粉ミルク、


ドッグフードの赤ちゃん用のものをフードプロセッサーで


粉々にしたものをスープ状にした、栄養たっぷりの離乳食を


仔犬の鼻先や、上あごに塗ってあげます。




すると。


くんくん。


ぺろぺろ。


これはなんだ!?


最初から、猛烈な勢いで食べる子もいれば


最初は、なにがなにやらわからず、ぼうっとしている子も。


兄妹でも、その「気づき」のスピードには、ずいぶん違いがあります。


やっぱり、よく食べる子は、大きい!




こんなことを1週間もつづけていると、


「ごはんって、おいしい!」っていうことを覚えます。


ふんが、ふんが、すごい勢いでお皿にへばりつく仔犬たち。


もっと、もっと、食べたいと思うとお皿に前足が入ってしまったり、


隣で食べてる子が押しのけてきたり、体中、離乳食だらけになっちゃうけれど。


こうして、みんなでご飯を食べることもきっと


経験、のひとつなんだろうなって思います。




それから、べしょべしょに汚れたら、


そのつど、タオルでくしゅくしゅ拭いたり、ブラッシング。


これも、「人間にされることはあたりまえのこと」って体で覚えるお勉強。


汚れないようにするより、汚れて覚えることもある。


怒られないより、怒られて覚えることもある。


なにごとも、経験。




生後25日くらいから約40日くらいまでは


離乳食と、ママのミルクを並行します。


ママのミルクには、免疫や仔犬を守るたくさんの


栄養が含まれているとともに、母乳を吸う、という


スキンシップから学ぶことも大きいなと思います。


なかには、仔犬の歯が痛い!って


早々に、逃げちゃうママ犬もいるようだし。。

痛いわよっ!って怒るママ犬も。


母性の強いママ犬だと、ずーっとあげている子も。




母乳をあげているママ犬は、栄養をたくさん使うから


毛も、体も、どうしても衰えてしまう。


だから、なるべくなるべく、ママ犬の負担が少ないよう


ママ犬にも、栄養の高いドッグフードや粉ミルク、


お肉など、たくさん滋養をつけてあげる。


そうすると、産後の肥立ちがはやくなるからね。


子犬の巣立ちの日、それはママが専業ママを卒業する日。


その日まで、ママも仔犬も元気いっぱいでいられるよう


人間が目を配って、育ててあげます。




生後40日を過ぎた頃になると、だんだんと


お母さんが食べているご飯に興味を持って


カリカリのドライフードを横取りしようとする仔犬も。


強引にお皿に顔をつっこんで、お母さんに怒られたりして、


「イケナイ」ルールを教えてもらうこともあります。


毎食、フードプロセッサーでドライフードを粉にして


粉ミルクと、野菜やお肉やお米を煮込んだスープで


離乳食をあげますが、だんだんと、固形物を食べられる歯になってきます。




生後75日を過ぎる頃には、ドライフードをカリカリと、食べられるようになります。


こんなふうにして、仔犬たちはママのおっぱいを卒業するのです。




犬は、人間に愛されて生きるもの。


だから、幼い頃に、たくさん、たくさん、注げるだけ


たっぷりの愛情を注ぐことが、いちばんの「心育て」だと思います。


たっぷりの愛情と、十分な手間ひまをかけて育った子は


おおらかに、おおらかに、育つことでしょう。




マニュアルどおりの「しつけ」を考えるよりさきに、


まず、「人間を好き」な子に育てること。


「犬が好き」と思える子に育てること。


人間の言葉に耳を傾ける子に育てること。


素直に、人間と一緒に生きることを楽しめる子に育てること。


それがなにより大切な、仔犬時代の育て方なんじゃないかな・・・と思います。


おおらかに育ってほしいよ、パピーたち。


きっといつか、キミタチの家族になる人たちを


幸せにする存在に・・・育ってほしいよ。

コメントを投稿

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)

« 最初から読む前のページ次のページTOPへ »

カレンダー

2009年06月
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30

カテゴリー

コメントを見る