わたくし湯佐家のゴンタは何回も言うようですが、現在18歳の立派なおじいちゃま。歩き方もヨボヨボで、毎日寝てばかり。
老犬を飼うということは、大変なこと。人間同様、日に日に老いてゆく姿を目の当たりにするのは、辛い。そして何よりも悲しいのは「ゴンタがいつかいなくなってしまう」ということを思うとき…。
私は、今だに犬の最期を見送ったことはありません、が、想像するだけで狂いそうになります。しかし人間と同様に犬も生き物です。命には限りがある、それが現実です。辛いことだけれど、犬を飼っている以上、その犬の最期を見送ることが飼い主の責任なのだと思います。
谷口ジローさん・作の『犬を飼う』は、そんな老犬の最期を忠実に描いている作品なんです。
若い頃には、考えられなかった犬の老い。足はヨボヨボになり、お尻あたりの筋肉がダンダン落ちてくる。その絵があまりにもリアルで、私はそこにゴンタを重ねてしまうほど、感情移入してしまいました。
散歩中のおばあちゃまがジローに向かってこう言います。
「早く死んであげなきゃだめじゃない。おまえ…わかるだろ? あたしもさ、早くいっちまいたいんだよね。楽しいことなんかなんにもありゃしない」
…何とも言えない気持ち。ゴンタも最近寝てばかり、起きていてもどこかつらそうな表情です。歩きたくても思うように歩けない。食べたくてもこぼしてしまう。思うように動けない苛立ちとプライド(ゴンタは元々潔癖症でとてもプライドが高いんです)を傷つけられた情けない気持ち。きっとゴンタはそんな気持ちで過ごしているんじゃないかしら…?
犬を飼っている責任感のある“ドギラバ”のみなさんへぜひ読んでもらいたい、湯佐お勧めの“ドギラバ”作品です。ぜひご覧ください!