「オカン」の闘病生活が始まったとはいえ、現場は相変わらず和気藹々としております。樹木さんは、芝居に入ると本当に「オカン」そのものなのですが、カメラが回っていない時には、スタッフやキャストを盛り上げる、陽気で鋭くて楽しい樹木さんへと戻ります。オダギリさん、よく爆笑していらっしゃいます。
そんな中、私は粛々とオカンのスタンドインを続けております。本当に俳優さんの仕事というのは大変なもので、今回は方言もあるわけですから、日ごろ使っている言葉と違う節回しで、しかも自然に口にするのはとても難しいことと思われるのに、いかにもサラっとやっていらっしゃいます。
そこがやはり私なんかがやると、トーシローなものですから、スタンドイン中に、筑豊弁のつもりで「FMね?AMね?」(劇中にそういうシーンがあるのですね。チェックして下さい。)と渾身の演技でもってやってみたところで、スタッフ一同から、激しい失笑を買うのみなのです。