素人革命!
はじめまして。
箭内さんがやっているテレビブロスの連載「俺だけ崖から落ちるのはやだ」編集担当の木下です。
いつもミジンコサイズの文字級数で、読者から寄せられるギャングスタープランをお届けしています。通常なら2ページほど使う内容を、1/2ページに無理矢理圧縮している「不必要なまでに最も高温多湿(by箭内)」な連載なので、文字校正のときは正直、発狂しそうです。発狂したついでに、僕もたびたびギャングスタープランを投稿しています。
で、そんな「俺崖」を読んで火照った読者の投稿から選んだTシャツ4作品がこれ。尾崎の名曲「15の夜」Tシャツ、上司なら着たい「自分で考えろ 俺に聞くな!」Tシャツ、他人を背中でエンターテイン「なぞなぞ」Tシャツ、そして山本佳宏さんもお気に入り「元●●」Tシャツです。
きっと誰もが持っている“元●●”という称号。その地点から今の地点。その隙間にドラマがあります。かく言う僕も「元電通」でした。入社1年目のお正月休み中にタイで蒸発。バンコクのネットカフェから上司に送った、最初にして最後のメールの一文「バンコクで、凧の糸が切れてしまいました」は、コピーライターとしての僕の最後の渾身の一作となりました。
今でもリアルに思い出します、あのクリックを押すときの緊張感。このクリックひとつで人生が変わるーーー 躊躇している僕の指に、そっと手をかぶせてくれたタイ人の友達。無情にも僕の代わりにクリックしてくれました。ニカッと無責任に笑うタイ人。お前を許す! タイ人の笑顔は魔力です。
…と、このようにコミュニケーションの起爆剤として作用する「元●●」Tシャツ。着るにはだいぶ勇気がいるんですけどね。でも威力は絶大です。素人の発想は自由で広くてすばらしい。ビバ素人!
タイ蒸発から7年後、気付けば、フリーという身分でテレビブロスの編集者になっていました。僕も変わりましたが、時代も変わった。ITのおかげで誰もが、デザイナーや作家、アイドルや編集者、そしてプランナーになることができるようになりました。
マスコミから流される情報に受け身だった人々が、その情報をどう自分のネタに加工して発信するかを考えるようになりました。情報との接し方が根本から変わったのです。
システムとして成熟しきってしまったプロの世界。そこには、生でライブな感じがもはやありません。素人こそが時代を変えるのです。いつの時代も革命を起こすのは素人です。
そんな時代のうねりを箭内の兄貴は感じたのでしょう。最初「俺崖」は忙しい兄貴のために、僕が聞き書きで書いていたのですが、兄貴が突然猛反省。TOKYO FM『風とロック』と両輪で、勝手な広告案・ギャングスタープランを募集するようになりました。
「世界最先端の広告代理店の誕生(by兄貴)」です。
だから、僕も「俺崖」編集担当であると同時に、一素人投稿者としてこの革命に参加します。このTシャツ着て。山本佳宏さん、うれしいエールをありがとうございます!
負けませんよ〜、こっちも。共闘するライバルとしてよろしくお願いします!
(木下拓海)
P.S. みなさん、「俺崖」を読んだ後は、なるべく遠くを見るようにするなど、目を
いたわってあげて下さいね。