ノラネコロック!- ①
「ノラネコ My Way」
とうとう終わりのときが来た
ファイナルカーテンだ
目の前のどんぐりを転がす力もない
体内時計も止まりかけている
長い旅だったが
すべて終わっちまった
いくつもの塀を歩いたし
いくつもの屋根にも上がった
何十匹のメスネコをこましたし
何百匹のネズミも食い殺した
いつもガラス窓の向こうに
ひざまづく人間の姿を見てきた
こうして行き倒れるのも
おれの汚れた血のせいに違いない
雪が降って来たようだ
からだもいよいよ冷えてきた
遠くでジングルベルが聞こえる
クリスマスの夜は
犬っころでも昇天できたのに
このドブの中には
天使も羽を汚してまで降りては来るまい
黒い天使だけは別だ
おれの身など
飢えたカラスどもにくれてやろう
きれいでふかふかな場所は
死んでも縁がないってことだな
うれしいことにこれからは
腹が減ることもない
土や砂利も食い飽きた
最後にまるまると太った七面鳥を
狩りたかったがもう遅い
生まれ変わり死に変わる
ノラネコの魂が
今おれの中を通過していく
「いのちとは 夢でなければ 何なのか」
腐った乾電池が
泥の中で祈りをつぶやく
厳粛な顔のザリガニが
おれのヒゲを切り揃える
名前ももたず
ことわざも知らず
そうさ おれは
やりたいようにやってきた
ただ生きることを生きてきたのさ
「月刊 風とロック」2006年12月号での『ノラネコロック!』をそのまま載せてみました。
『ノラネコロック!』とは木村透さんがいつも詞を書いてくださり、画をいつもいろんな方々に描いていただいている「月刊 風とロック」の連載コーナー。
すでにこちらのブログでも紹介済みなんですが、
この『ノラネコロック!』がハンカチになっているのです!!
風とロック渋谷パルコ店で販売してるんです!!!
(まだ商品のほう入荷しておらず、予約受付中です!!)
ご存知ない方々もいらしゃるのではと、筆をとった次第でございます。
12月号の「ノラネコ My Way」では画のほうを竹屋すごろくさんに描いていただきました。
素敵でしょ。
こんな素敵な詞とイラストのハンカチってないですよ、世に。
「バレンタインに何を贈ろうかしら、かわいいポストカードがいいかしら。なんか詞集とかかしら。でもいつも使ってもらえるハンカチとかのほうがいいかしら。」なんて迷われてる、そこのお嬢様。
全部まとめておきましたけど!!!
彼のイメージに合わせて、伝えたい言葉の代弁として、ネコ好き彼ならいっそのこと全種類!!
プレゼントにいかがでしょうか?
第一弾は全6種類となっております。
これから他のものも1つずつこちらで紹介していこうと思いますので、お楽しみに!!!
shigeta