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NO KAZE, NO ROCK. 風とロック 箭内道彦のムービーブログ
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第78回 トップランナーO.A. 寺島しのぶさん

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ロックンロール食堂 佐久間です。
今回のゲストは、女優 寺島しのぶさん。

今年2月、今夏公開の映画「キャタピラー」で
ベルリン国際映画祭 最優秀女優賞にあたる「銀熊賞」を受賞されました。

日本人として35年ぶりの受賞というこの“快挙”にも、
「もう余韻はない 熱は冷めてきた」
「賞はいただくまでが、楽しい」
と寺島さんは言い切ります。
それは強気だとかそういうことではなくて、
「もらった後の『次は何をすればいいんだろう』は苦しい部分もある」
という、
役者として極めて真摯な姿勢から出た、自然で素直な気持ちでした。


箭内が注目したのは、
様々な状況におかれた、複雑な女性の心情を極限で演じきる
寺島さんの持つ、“役との「距離」”。
これについて、
撮影中は“その人”になり、全身・全精神で演じるという寺島さん。
2003年の「ヴァイブレータ」撮影中は、スナック菓子ばかりを食べたくなり、
今夏公開の「キャタピラー」では、12日間という短い撮影期間のなか
“どうして12日間でできたのかわからないほど”という究極のテンションで演じきり、
夜も眠れず、撮影後には血尿や皮膚の炎症、急性胃炎になるほどだったそうです。


そんな寺島さんのご自宅での様子を、夫のローラン・グナシアさんに
VTRで証言していただきました!
妻が女優で大変なことは?の問いに、
「いつもですよ。変だけど・・それがいいんです」
「彼女は特別な人。才能と個性が溢れている。映画もそうでしょう」

このサプライズに、寺島さんは大爆笑!
箭内が「旦那様でありながら、お医者様みたい」と感想を言った途端、
「ほんっとに大変だと思います、彼は!」と、
嬉しさいっぱいの照れた表情を、隠さずに見せてくださいました。


絶世の美女といわれる母がコンプレックスだったと断言し、
役者一家に生まれたという葛藤、その全てを経て、
今のご自身があると確信される寺島さん。
“一面性”だけじゃない作品、多面性のある、人間性が見えた役に
強く惹かれるそうです。
それは体がビリビリし、命を懸けてやりたい、と思うほど。


ゴールは、「見えない」。
「行きたくないし見たくない。端とか一番上とか一番下とかに行きたくない」。

それらを口にした瞬間、
MC箭内に目を遣った寺島さんの、
なんとも嬉しそうで
なにか企んでいるような、
語りかけているような表情が、最後印象的でした。


命懸けで演じ続ける寺島さんから目を離している隙は
もはや無いように思えます。

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次回のゲストは、特殊メイクデザイナー 百武朋さん。
7月10日(土)23:30からオンエアです。


sakuma