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第80回 トップランナーO.A. 道尾秀介さん

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ロックンロール食堂の佐久間です。

今回のゲストは、作家 道尾秀介さん。
2009年、日本でもっとも売れた文庫本「向日葵の咲かない夏」の著者であり、
「光媒の花」では第23回山本周五郎賞を受賞、そして第143回直木賞候補に。

予想困難なストーリー展開、独特な構成と登場人物。
「ミステリー」という言葉では表現しきれない魅力を秘めた
多数の作品を世に送り出しています。


道尾さんは、高校1年生まで全くといっていいほど読書をしなかったそうです。
初めての読書、太宰治「人間失格」で文章の持つ表現力に出会い、
一気に惹き付けられたことが作家になったきっかけ。
その後、営業マンとして働きながらも、作品づくりに奮闘。
28歳の時、「背の眼」で作家デビューを果たします。

番組では更に、道尾さんの仕事部屋を取材。
バンドをやっていた道尾さんのギターがずらりと並ぶ室内には、
書き終えた小説のメモや取材の資料が、
作品ごとにきれいにファイリングされていました。


作品のなかに散りばめられた“トリック”。
道尾さんにとって、それは“紙に書かないけれど、相手に心情やテーマをぶつけられる手段”。
一番の目的は、「登場人物の感情を読者にぶつけること」。
それゆえ、読んだ方に、ただ「驚きました!」と言われても、少しも嬉しくない、
「それだけ?」と思ってしまうそうです。

箭内が感じた、“ちょっとごつごつしているような印象”も、
「あまり滑らかな、寝て起きたら忘れるようなものは好きじゃない。
作品が、読んだ人の頭の中で、2本の足で歩いて欲しい。」という言葉にあるように、
道尾さんの強い思いの表れであることがわかりました。

そして道尾さんは、「自分のためだけに書いている」と明言。
作品のクオリティを保つために、自分をごまかさないで書く、ということを
意識しているそうです。

ひとつひとつの発言に、迷いがありません。


その他、箭内が
「けっこうやわらかく、激しいこと言ってますよね」と道尾さんに言うほどの発言も多々。
しかしながら、
「実力以上のことをするには、はったりをかまして自分を追い詰めるしか無いですね」と
サラッと言ってみせるところに、気持ち良ささえ感じてきます。


それにしても、トーク中にたびたび画面にズームアップされた、切れ長の目。
箭内が“天然歌舞伎役者”と描写しましたが、
鋭さがありながら、微笑むような、観察するような・・
微妙に変化する表情がとても印象的でした。


“言葉にしかできない表現を追求している”という道尾さんは、
ご自身にとってのゴールをこのようにおっしゃっていました。

「その時その時の作品を、最高傑作にする。
そのゴールのラインをきったら、またゼロから始めます。」


まだ作品に触れたことの無い方は、ぜひ。

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そして・・次回のトップランナーは、なんと
福山雅治さんの登場です!
しかも、特別番組!
トップランナー福山雅治〜僕の一日夏休み〜

東京のスタジオを離れ、
ありのままの福山さんと、夏の日を過ごします。

■8月21日(土)22:00〜22:44 オンエア!
 ※通常のトップランナーの放送時間帯とは異なりますので、ご注意ください。


sakuma

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