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第82回 トップランナーO.A. 松井冬子さん

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ロックンロール食堂 佐久間です。
トップランナー、今回のゲストは画家 松井冬子さん。

日本画の伝統を守りながら、一度目にするとその強烈な印象が
頭から離れない、衝撃的ともいえる作品を生み出しています。


松井さんの代表的な作品を拝見しながら、秘めたる思いを探っていきます。
そのなかで伺い知ることのできた、コンセプト。

 社会規範に則って生きることで自分の中の自由を失っていくことの象徴
 思い込むことによって生まれる恐怖
 ネガティブな感情が鬱屈してポジティブにひっくり返る瞬間、そのエネルギー
 男性に対して非常に攻撃的に突きつける、「女性」

様々に渦巻いた情念を、
松井さん自身の“当事者研究”として描く、「女性」に表現しています。
リアリティの感じられないものは描かない。だから男性は描かない。

周りの雰囲気や先入観、文化にすら惑わされない。
リアルに感じているものを、自分で正直に考える。
そのことを誰よりも全うしているように感じられます。


今回箭内は、フランス・パリで開催された松井さんの個展を現地訪問。
さらに都内のアトリエでは、制作の過程を拝見するという貴重な機会も。
複数回お会いすることで、多角的なスタジオトークが実現しました。


箭内が着目したのは、
「コンセプトを理解したうえで絵を観る」という鑑賞方法。
1枚の絵から何を感じてもよい、というだけでなく、
コンセプトが伝わったうえでまた感じることができるという、面白さ。
それについて松井さんは、
作品でご自身の考え方を観る者に問いかける、そのコミュニケーションに
素晴らしさがある、と教えてくださいました。


“多浪”を経て入学した東京芸大。
松井さんは4浪。箭内は3浪。そこには、共通の苦労があるようでした。
ただし、松井さんのキャンパスライフはちょっと箭内と違ったようです。
箭内曰く、芸大生なら必ず食べているはず!という、学食名物「バタ丼」。
松井さんは一度も食べたことがないそうで、
その時間も割くほど制作に没頭していたということに、箭内も感嘆でした。

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↑箭内は先週も食べに行ったばかりですが・・(その時の画像です)


目指すゴールについて、
「自分が納得できるマスターピースを作ること」
と、松井さんは迷いなくおっしゃいます。

そして、
「もしも男性だったら?」という、田中麗奈さんからの質問に対し、
「格闘家になりたいですね・・!」
と何よりも即答されていたのが印象的でもありました。


箭内は番組最後に、
松井さんの言う「女性であることのコンプレックス」は
「女性であることの誇り」なんじゃないかと、
そして同時に、箭内は「男性であることのコンプレックス」を感じた、と。

それを受け、松井さんが今回一番の笑顔を見せてくださいました。
「それはとってもよかったです。本当に!」


尽きることが無いであろう、松井さん自身の表現意欲が今後どう展開していくのか、
ぜひご注目ください。

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次回のトップランナー、ゲストは俳優 高良健吾さん。
9/4(土)23:30-、NHK総合にてオンエアです。


sakuma

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