2013.8.31 風とロック宮城 スペシャルフォトレポート
風とロック宮城 LIVE福島 CARAVAN日本 ~I love you & I need you みやぎ!~
スペシャルライブレポート(フォト by 石井麻木)
2013年8月31日。
2012年12月の福島から始まったキャラバンの旅が、
沖縄、札幌、長崎、東京、神戸、広島と巡って、
いよいよ、東北に帰ってきました。
「ただいま、東北。」
映画「あの日〜福島は生きている〜」上映前の映像にて、
そんなスーパーが映し出されると会場から拍手。
「おかえり〜」という声もあがりました。
「あの日〜福島は生きている〜」の上映。
キャラバンと共に、それぞれの地の皆さんに
手渡しする形で上映されてきたこの映画は、
今年9月下旬に、遂に海を越えて、スペインへ。
サン・セバスチャン国際映画祭で上映されました。
スペイン・バスク地方で行われる
60年以上もの歴史を持つスペイン語圏最大のその映画祭。
スペインと日本の国交400周年を記念して、
サン・セバスチャン映画祭より正式招待を受けた
CINEMA CARAVANの特設ステージで
世界に発信されました。
そんな「あの日〜福島を生きている〜」。
全国を巡りながら、その場所その場所のみんなと一緒に観たい、
と何度も観てくださる方もいます。
上映後のトークショー。
写真左より、平井理央、浮ヶ谷美穂(ミヤギテレビ)、高橋正樹(女川さいがいFM) 、
大久保剛、藤井敬之、渡辺俊美、富澤タク、箭内道彦。(敬称略)
高橋正樹さんは、津波の被害が大きかった宮城県女川町で津波被害に遭わず
社屋・工場が残った水産加工会社「高政」の4代目。
実在する「女川さいがいFM」を舞台に、
東日本大震災後に生きる女子高生と彼女を見守る大人たちを描いたNHKドラマ「ラジオ」で、
吉田栄作さんが演じた役のモデルとなった方です。
高橋「明るいニュースばっかり流れるじゃないですか。復興したって勘違いされるんですよ。
女川町って、人口が宮城県内の中でも断トツに減ってるんですね。
人口は被災前はジャスト1万人だったんですよ。
震災で約1,000人亡くなったんですけど、今5,000人いるかいないかなんですよ。
で、そこでうちも蒲鉾屋として、いろいろ人雇ったりとか、
他の会社の手伝いとかしてるんですけど、やっぱり街はまだ何にもないんですね。
建物が地盤沈下しちゃって、洪水になりやすいし津波になりやすい。
だから建てられない。かさ上げが終わるまでは、まだ復興どころか復旧すらなってない。」
箭内「風化と風評は、背中合わせというか。
忘れない人たちが風評を起こすし、忘れてしまう人たちは風化を発生させるしで。
復興したとはまだ思わないでくださいって、すごく大事なキーワードだなって思う。
忘れないよ、って、すごくいい言葉だけど、何を忘れないでほしいのかって。
例えば、福島が危険な場所だってことを忘れないでほしい、
とか、そういうことではないじゃないですか。
それも忘れないでほしい、って括られてしまうと、
どんどん福島の人たちを追いつめてしまうし。
だったら、福島で毎日を丁寧に生きている人たちが
たくさんいるんだってことを忘れないでほしいっていう風にすれば、
風評みたいなことにはならないんじゃないかなって思うときがあって。」
トークショーの当日の朝は、「あまちゃん」がちょうど2011年3月11日の回。
脚本が、宮城出身で「予定〜宮城に帰ったら〜」も歌う宮藤さんということもあって、
トークショーも、その「あまちゃん」の話に…
月刊 風とロック7月号の取材で
宮藤官九郎さんにインタビューをした箭内実行委員長は、宮藤さんが
被災地という言葉が好きじゃないと。被災地は日本なんだて言っていた、と紹介。
高橋「今日の放送、僕も見ました。泣いて、見れなかったです。
ただ、クドカンさんだから、って自分に言い聞かせて見ました。
いや~きついっすよ。ぶっちゃけ誰も死なないで、って思います。」
箭内「クドカンを信じて大丈夫です!これ、ネタバレじゃなくて。」
高橋「ですよね!よし、月曜日も見よう。」
高橋さんからは、楽屋の出演者の皆さんに、
「高政」の美味しいかまぼこの差し入れもあり、
皆さん、その美味に大喜びでした!
ありがとうございました!
そして、
LIVEのオープニングアクトは、
「六軒丁睦」の皆さんによる、仙台すずめ踊りです。
慶長八年(1603年)、仙台城移徒式後の宴席で、
泉州・堺出身の石工(石垣造りの職人)さんが、
伊達政宗公の御前で即興で披露した踊りが
はじまりと言われる「すずめ踊り」が、仙台Rensaに。
ライブハウスだと、他の場所で聞くより、
より”音楽”としての格好良さも実感できて
新鮮な体験でした。
箭内実行委員長と平井理央さん。
オープニングトークでは浴衣で登場!
ライブハウス内が、涼やかになりました。
これまでの各会場で訊いている、
恒例の、どこから来たかの“出席確認”。
たくさんの宮城からのお客さんとともに
県外から参加の方も数多く。
その中でも、なんと神戸からいらっしゃった方が。
そして、これまた恒例の実行委員長による無茶ぶりにより、登壇。
なつみさん、ありがとうございました!
トップバッターの予定だった高橋優さんが、
前日にライブがあった札幌からの飛行機の機材トラブルにより、
仙台入りが遅れ、タイムテーブルが変更されました。
トップバッターは音速ライン。
藤井さんは、大学時代の青春をここ仙台で過ごされて、
仙台大観音のお膝元に住んでいたそう。
そんな話しから、急に、
藤井さんが大久保さんに向かって、
「あれ、大観音にちょっと似てるよね。超似てる。」と。
場内が騒然となりました。
※ちなみに、仙台大観音をご存知ない方はこちらを↓
http://www.daikannon.com/kan.html
大観音の話もあってか(?)、
即興で作られた仙台についての曲も披露。
そして、藤井さんはギターを、
キャラバンギターに持ちかえて、「Two Shot」も披露。
最後は、箭内実行委員長作詞による「ありがとね」。
PVでは、大久保さんが巨人になるこの曲。
演奏前に、藤井さんもそのことに触れ、
「あ、あれも大観音だ!やべえ、今つながった!」と…。
「音速ライン」セットリスト
1.打ち上げ花火
2.(仙台についての即興の歌)
3.心のままに
4.Two Shot
5.ありがとね
さて、次は、この方。
「親戚じゃないからね」といつも実行委員長が言う、
箭内健一さんの登場!
実行委員長と同じく郡山出身で
仙台も拠点の一つとして活躍する世界的DJ。
「I love you & I need you ふくしま」そして「Two Shot」
の箭内健一リミックスもプレイ!
終盤、楽屋裏から突然、渡辺俊美さんが!
箭内健一さんがプレイするTOKYO No.1 SOUL SETのナンバーに
俊美さんの生歌声が重なるという…
なんとも贅沢な「ご本人登場!」でした。
続いて、高橋優さん!
無事に仙台入り。
ところが、高橋優さんがステージに登場した瞬間、客席はみんな座っていて…
これは、まだ高橋優さんが到着されていない、オープニングトーク時に、
プロデューサーでもある箭内実行委員長がお客さんとやりとりするなかで発案した
”高橋優さんが出てきたときに客席みんなで座っていよう”という
会場全体で仕掛けたドッキリ。
一瞬、真に受けて、戸惑われた優さんでしたが、
お客さんからの説明を受けて納得。
「気の効いたリアクションがとれなかった」と後のMCで
振り返ってらっしゃいましたが…
それも含めて、Rensa全体があたたかい空気に包まれました。
そんなドッキリを皮切りに、5曲を披露。
「高橋優」セットリスト
1.福笑い
2.ジェネレーションY
3.HITO-TO-HITO
4.(Where's)THE SILENT MAJORITY?
5.同じ空の下
続いて、宮城県気仙沼出身の畠山美由紀さん。
故郷の思い出話とともに「わが美しき故郷よ」。
翌週にキャラバンが訪れる、
岩手出身の宮沢賢治作詞作曲、「星めぐりの歌」も。
気高く美しい歌声がRensaを包みこみます。
赤い妖精が舞い降りたかのようです。
畠山美由紀 セットリスト
1.風の栞
2.その町の名前は
3.わが美しき故郷よ
4.Have You Ever Seen the Rain (cover)
5.星めぐりの歌
6.Thinking of you
そして、次も赤い!
怒髪天、降臨!
仙台でのライブは、2013年、この風とロックも含めて、6回にも及んだとのこと。
「遠距離恋愛のカップルレベルの頻度」(増子さん)
怒濤の6曲を熱演!
怒髪天 セットリスト
1.独立!俺キングダム
2.濁声交響曲
3.ドリーム・バイキング・ロック
4.どっかんマーチ
5.歩きつづけるかぎり
6.愛の出番だ!
年内にある今年6回目のLIVEを、
タワーレコードブース近くでこの方が告知。
「11/10(日) 仙台Rensa(ココ)で待ってるぜ !!」
そして、タクさんの美声も、
Rensaに響きます!
富澤タク セットリスト
1.ナイト ソング・イン・ザ・シティー
2.STARTED
3.いずれ
エロティシズム川柳からの一節のご当地ソングも、健在。
ここでは記せないようなエロティシズム溢れる五七五の後、
宮城では、青葉城恋唄が歌われました。
そして、俊美さん。
箭内健一さんのDJタイムに登場した時はまた別の衣装で。
いつもほんとにオシャレです!
最初のナンバー「夜の森」には、
急きょ、タクさんもギターで寄り添うことに。
キャラバンの弥次さん、喜多さん。
改めて、素敵なツーショットだなぁ、
と感じ入ってしまうセッションでした。
「もし、あの人が、おれたちの兄貴が、生きてたら
この会場で、この曲を歌ったんではないかな。」
そんな前フリで歌われたのが、
忌野清志郎さんが
日本語詞をつけて歌っていた「500マイル」。
舞台袖で聞いていた、出番を終えたある出演者の方も
この俊美さんの歌声に感涙。
渡辺俊美
1.夜の森
2.500マイル(cover)
3.Innocent Love
4.I love you & I need you ふくしま
俊美さんがタクさんを再び呼び込みます。
俊美さん「エロおやじの富澤タクです」
タクさん「エロおやじというのはやめてください。エロティシズムおやじだったら、まだいいです。」
そして、遂にあの方が…。
中村雅俊さんが登場!
会場が歓声に包み込まれます。
白いライダースジャケットに、白のキャラバンギター…
かっこいいです!
「今日は、うれしいです!このギター、弾かさせていただきます!」
そして、「予定~宮城に帰ったら~」
ラストは、宮城の各地の地名のシャウト。
ただただ、地名が叫ばれているたけなのに、
こんなにも深くぐっと来るのはなぜでしょうか。
オールラインナップ前、
箭内実行委員長がひとりでステージへ。
「ごめん、ちょっと一人で喋りたくなって、出てきました」
と話し始めました。
「2011年の3月にすぐ猪苗代湖ズが
『I love you & I need you ふくしま』を録音して、
あの曲は大切な歌なんだけど、あの曲だけじゃ足りないなっと思って。
ふくしま、ふくしまっていう、それはふくしま大変だけど、
そこで完結してはいけないと思って。
富澤タクちゃんに予定って歌で、福島に帰ったらって歌があるんだけど、
これをまず宮城と岩手のバージョンを作りたいんだっていうふうに伝えて、
4月9日にレコーディングして
夜中まわって俺ちょうど10日が誕生日で…
そんなことを思い出しました。
だから宮城、そして、来週岩手があることは、
すごく自分の中で意味があって。
『I love you & I need you ふくしま』も震災の半年前だし、
『予定』は震災の2年前に作っていた歌なんですよね」
オールラインナップ。
中村雅俊さんももちろん登場。
全員そろったところで、
実行委員長が突如、告げます。
「中村さんにも相談もせずに、今から39年前の歌をやります。
やっぱり、いま、必要な歌だなって思えたんで。
中村さんは聞いていてください」と。
友康さんのギターが鳴り出して、
俊美さんが歌いだす。
「ふれあい」
ひとり、そして、ひとり。
歌う人が増えていき、
会場のお客さんも含めて、みんな歌います。
中村雅俊さんをのぞいて。
歌い終わると、
「これ、39年前の歌だよ」と中村さんも驚き、
そして「感激しました」と。
増子さん、
「よく、みんな、本人の前で歌うな(笑)」とツッコミ。
そして、
オールラインナップによる「Two Shot」へ続きます。
ここ宮城から旅のお供に加わった
キャラバンギター(段ボールエディション)をもって、坂さんも客席へ。
お客さんから逆さんへ、「おだずもっこ!」というツッコミも。
宮城の方言「おだずもっこ」。ぜひその意味、調べてみてください。
予定~宮城に帰ったら~の歌詞にも出てきますね。
新たなメンバーも加わって歌われた「Two Shot」 。
仙台Rensaの会場全体が、家族のようになる瞬間です。
「Two Shot」
2013.8.31 風とロック宮城 LIVE福島 CARAVAN日本ver.
(高橋優)
君と僕の
違うところを
尊敬し合いたい
僕と君の
同じところを
大切にしていたい
lulululululu
lulululululu
lulululululululululu
lulululululu
lulululululu
lulululululululululu
ねえ君の
ふるさとは どこですか?
どっちがすき?
かぼちゃとさつまいも
ねえ君の
ほしいものは 何ですか?
どっちがすき?
いちごとさくらんぼ
(増子直純)
君と僕の
住んでる街は
離れているけれど
同じ歌を
くちずさむとき
心は繋がってる
lulululululu
lulululululu
lulululululululululu
lulululululu
lulululululu
lulululululululululu
ねえ君の
ふるさとは どこですか?
お国言葉
お互い教え合おう
ねえ君の
ふるさとの 言葉では
なんて言うの?
好きだと伝えるとき
(畠山美由紀)
もしも君が
笑顔忘れたら
この歌うたうよ
そして君が
元気になったら
みんなで歌をうたおう
lulululululu
lulululululu
lulululululululululu
lulululululu
lulululululu
lulululululululululu
ねえ君の
ふるさとは どこですか?
変わらないよ
青空も白い雲も
ねえ今は
ほしいものが わからなくても
また会えるよ
みんなで笑いあおう
(高橋優)
君と僕の
生まれた街を
ずっと好きでいたい
僕と君の
育った街を
ずっと好きでいたい
飛行機飛んで
仙台来れて
本当よかったな
また仙台の
みんなと一緒に
歌をうたいたいな
ねえ君の
ふるさとは どこですか?
山がキレイ?
それとも海がキレイ?
ねえ君の
ふるさとの 言葉では
なんて言うの?
「ありがとう」伝えるとき
(藤井敬之)
君といつか
離れ離れに
なるときがきても
今日という日に
一緒にいたこと
忘れはしないからね
lulululululu
lulululululu
lulululululululululu
lulululululu
lulululululu
lulululululululululu
ねえ今を
やきつけるように 生きて
もう二度と
帰れないこの 瞬間を
ただ君の
ありのままを 見ていたい
素直にただ
向き合いたいだけなんだ
(渡辺俊美)
大切な君は
いつも ひとりぼっち
僕を待つ
手作りの
夕食を一緒に
仲良く食べるため
lulululululu
lulululululu
lulululululululululu
lulululululu
lulululululu
lulululululululululu
ねえ君に
ありがとうを いいたいのさぁ
いつも
待たせて ばっかりで
君は今
生きている それだけで
僕は
とーても幸せさ
(富澤タク)
僕の大好きな
君は今頃
何を考えてる
なんにもできずに
いるけれど
ずっと想っているよ
lulululululu
lulululululu
lulululululululululu
lulululululu
lulululululu
lulululululululululu
ねえ君の
ふるさとは どこですか?
どっちが好き?
笹かまぼこと萩の月
ねえ君の
ふるさとは 元気ですか?
風とロック仙台
最高です!
(畠山美由紀)
君と僕は
出会ったばかリ
知らないことばかり
どんなことを
話したら君と
分かり合えるのだろう
lulululululu
lulululululu
lulululululululululu
lulululululu
lulululululu
lulululululululululu
ねえ君の
ふるさとは どこですか?
何にもない
ところだと君は笑う
でも君と
ふるさとの 話したとき
気付いたのさ
仲良くなれたって
(増子直純 & 箭内道彦)
君と僕の
違うところを
尊敬し合いたい
僕と君の
同じところを
大切にしていたい
やさしくなって
強くなって
長生きをしたい
君がつらいときは今度は
僕が助けに行くよ
ステージに誰もいなくなった後、会場BGMとして流れる
「 I love you & I need you ふくしま」に鳴り止まない手拍子。
その光景も各会場 恒例になりました。
「ありがとう」という声を拍手が飛び交うなか、
夏の終わりの宮城の夜は、
終演を迎えました。
賛同社・グリコのブース前にて。
風とロック宮城 LIVE福島 CARAVAN日本
~I love you & I need you みやぎ!~
2013年8月31日(土)
宮城県 仙台Rensa
LIVE福島ドキュメンタリー映画
「あの日~福島は生きている~」
総合監修:是枝裕和
発起人 :箭内道彦
Talk Show
箭内道彦
渡辺俊美
富澤タク
音速ライン
平井理央
高橋正樹(女川さいがいFM)
浮ヶ谷美穂(ミヤギテレビ)
LIVE
オープニングアクト
仙台すずめ踊り(六軒丁睦)
オープニングトーク
箭内道彦 & 平井理央
音速ライン
箭内健一
高橋優
畠山美由紀
怒髪天
富澤タク & 渡辺俊美 & 中村雅俊(友情出演)
オールラインナップ