あとがきを書かせていただきました。「天野祐吉のCM天気図傑作選—経済大国から『別品』の国へ」(朝日新聞出版)
1984年から2013年10月16日まで、
天野祐吉さんが書き続けた、朝日新聞の大人気コラム。
その29年から厳選した155編を収録した
「天野祐吉のCM天気図傑作選—経済大国から『別品』の国へ」が
この度緊急発売されました。
天野さんの愛と激励に支えられてきた人間の一人として
箭内道彦があとがきを寄せさせていただきました。
あたたかい目と、するどい目を、併せて持つのはとても難しい。
人々が悩み苛立つ現在の社会においては尚更に。
人は下手くそだ。誰かの意見に反対するのも、賛成するのも。
相手を傷つけたり、声を荒げなければそれができないなんて。
そんな今こそ、あたたかい目とするどい目を併せ持つことがそれぞれに必要。
面白がることも大事。そのことをこの本は教えてくれる。
「広告を広告した人」は、「時代を広告した人」、そして「人間を広告した人」でもあった。
(あとがき「面白がるセンス」より抜粋)
バブル、昭和の終わり、不況、格差社会、震災、原発事故。
この国の成熟と喪失のすべてが、詰まった一冊。
常に遊びゴコロを忘れず、
広告を、表現を、ひとを、時代を見つめ続けた天野祐吉さんのご冥福を心からお祈り申し上げます。
2011年2月 東京大学で対談をした時の二人
kobayashi