MA
箭内さんに「今日のブログ書いて」と何の心の準備もないところに言われ、
「NO」と言うのが苦手な僕はMAミキサーの増冨和音と申します。
ブログって日々の出来事を書いたりするんでしょうが、MAという
業種がどこまで市民権を得ているのか不明なので、
ご存じない方の為に「MA」ってどんなことするのか簡単に説明することにします。
「エムエー」とは、「マルチオーディオ」の略で、映像作品の音部門の
作業のことを日本ではそう呼んでいます。
海外作品を見ると「SOUND」とか「SOUND MIX」とか
「DUBBING」とかクレジットされてるのがそれにあたります。
日本ではときどき「MAV(エムエーブイ)」とか呼ばれたりもし
ますが、これはテレビの映像がフィルム(F)からビデオ (V)に
切り替わってきたことからそう呼ぶ方もいらっしゃるのだと思います。
まあ、「MA」だろうと「MAV」だろうと、いずれにしても
日本の表記はダサイので、僕的にはどっちで呼んでもらってもかまいま
せん(日本も「SOUND MIX」って表記になればいいのになあ、、、)。
ともかく映像作品のさまざまな音要素をミックスする仕事です。
簡単なように見えますが、意外と悩むポイントは多くて、
例えば、ナレーションと音楽だけというシンプルな音構成の作品でも、
視聴者に何をどう伝えたいかを前提に、
ナレーションの入るタイミング、音楽のレベルとの兼ね合い、ナレーションの音の距離感、映像とリンクしてるかなど、一口にミックスと言っても様々なパターンのバランスがあります。
効果音や、撮影現場で収録した音声が絡んでくるともっと複雑です。
神経がすり減る思いもありますが、このプロセスが相当楽しいわけで、
出来上がった作品を後日見直して、すごい迫力を感じたり、演出に共感
して切ない気持ちにさせられたりすると、
こう、なんとゆうか、、、、「やっててよかったー」と思うわけです。
とまあ、かるーいタッチで説明すると、これがMAという仕事です。
自分が大好きなことを仕事にしてメシが食えてて本当に幸せだなあと思ってます。
音って目に見えないから、ミキサーが何に悩んでるのかわかりづらく思われるかもしれませんが、
音演出しようとアレコレやってるので、みなさん今後ともMAをよろしくお願いします。
ちなみに、MAというのは監督さんによって様々な進め方がありますが、
箭内さんのMAは、ギスギスせず、かといって緊張感(厳しさ)もあって、
常に新しい試みに楽しんで挑戦するスタンスが、僕はとても好きです。
必ず笑顔があるし、クリエイティブ合気道も出まくりです。
僕がまだアシスタントだった頃、子供向けキャラクターのCMで、
眉間にしわ寄せて怒鳴りまくって進行する人々をみたことがありますが、
そんな空気で作業した子供向け商品CMなんて夢も何にもない気がしました。
そのときは「なわばり意識」と「プライド死守」が強いあまりそんな重い空気になっていたのですが、それって、もはやコントですよね。
たくさんのプロのいろんなアイデアがあって、それを監督が基本ビジョンのもと舵を取る。
箭内さんの舵取りで全員がハッとさせられることはよくあります。
僕がこんなことをいうのは失礼なのですが、
そういう「クリエイティブを楽しませてもらえる」空気が箭内さんのMAにはあります。
一言で楽しいです。僕もよく生意気を言わせていただいてます。
そういう空気って映像作品に何か大きなチカラを加えるように思います。
そしてMAに限らず「なんかおもしろいアイデア持ってそう」って
人を箭内さんがビュンビュン指名して、
人を動かしていく力はマジすげえなあと思います。
箭内さんが業界に起こす「風」が隅々まで吹き渡ることを切に望むミキサー増冨でした。
あ、それと「風とロック」で販売しているあるデザインのTシャツがあって僕はよく着るのですが、そのTシャツは在庫限りで増産しないと聞きました。
アレ僕はちょっと伸びてきたら買い替えるを繰り返しており、以前箭内さんに「日本で一番そのTシャツ似合うよ。だって着てる人増冨くん以外見たことないもん」と笑われたことがあります。
あのTシャツ気に入ってるので、販売やめないでください。せめてMサイズだけでも。
masutomi