2013.4.7 風とロック神戸 ライブレポート
風とロック神戸LIVE福島 CARAVAN日本 ~そして神戸で出会いましょう~
ライブレポート (ライブフォト by 石井麻木)
雨の野音の翌日、神戸公演。
会場である神戸国際会館は
1995年の阪神・淡路大震災で全壊し、その後に再建された建物です。
神戸の復興のシンボルでもあるその場所に訪れたLIVE福島。
映画「あの日~福島は生きている~」上映後のトークショー。
冒頭に、箭内実行委員長は、阪神・淡路大震災の時に温度差を持っていたことを
東日本大震災が起きて改めて反省させられたと告白。
トークショーには、ガガガSPのコザック前田さん、
黒猫チェルシーの渡辺大知さん、
放送作家の山本佳宏さんという神戸出身の出演者も出席。
「阪神大震災の話を笑いにして非日常を乗り越えたいと思っていた。
そうじゃないと受け止めきれなかった部分がある」(山本佳宏)など、
震災を体験した方にしか語れない話が印象的でした。
オープニングアクトは、阪神・淡路大震災後に、
神戸市民によって歌い継がれてきた「しあわせ運べるように」の
神戸親和女子大学の学生による合唱。
写真、一番左。一人だけいる男性は
黒猫チェルシーの渡辺大知さんです。
渡辺さんは、前日に神戸の商店街を歩きながらこの歌を歌って号泣したそうです。
その話を、箭内実行委員長が楽屋で聞いたことがきっかけで、
急きょ、女性合唱団+1人のロックボーカリストという混成合唱団が実現。
ホールに響き渡った、その歌声は観客のみならず、
その後のステージを控えた出演者の皆さんの感動も誘いました。
LIVEのトップバッターは、EGO-WRAPPIN'!
2011年9月17日LIVE福島 郡山会場以来の風とロック出演。
広い客席に唯一無二のその音楽が響き渡ります。
続いて、高橋優!
全国を旅するキャラバン・ギターを抱える姿もおなじみとなってきました。
MCでは、震災によって倒壊したこの建物が、
4年ほどで素晴らしいホールとして復興したことに触れ、
「神戸は、日本の先輩なんじゃないか」と。
音速ラインの登場。
藤井さんの”イタコ”になって歌詞が紡がれたという、
箭内道彦作詞 「ありがとね」も披露。
曲後のMCにて。
藤井「ありがとうっていう言葉は、言われて不快に思う人がいないからね。
ありがとう、の言い合いでいいと思うんですよ、これからは。
(大久保さんに向かって)ありがとね。」
大久保「ありがと。」
藤井「ありがとう。」
大久保「ありがとう。」
…というほほえましい、ありがとうの応酬も。
自らのソロ曲の演奏のあと、
富澤タクさんもキャラバン・ギターを抱えます。
「誰がために桜は咲く」
さらに、神戸でももちろん健在。
エロティシズム川柳、そして、ひと節のご当地ソングの流れ。
その後、「”朋友” 、渡辺俊美!」
というタクさんの呼び込みのもと、
渡辺俊美さん、登場。
神戸の歌詞を織り込んでの「予定」を演奏。
俊美さんのソロステージでは…
THE BLUE HEARTSの「パンク・ロック」のメロディに乗せて、
♬ 僕、風とロックが好きだ
♬ 僕、風とロックが好きだ
サビのその歌声には、
観客のみなさんのみならず、
舞台袖にいる、出演者、スタッフ一同、
胸を熱くさせられました。
オープニングアクトで合唱団の一員だった渡辺大知さん。
そのときとはまるっきり違った様子…
黒猫チェルシーの登場!
熱いライブに大ホールが魅了されます。
そして、怒髪天!
この日の出番は、黒猫チェルシーと、ガガガSPの間。
神戸出身の2バンドに挟まれて
増子さんは「神戸のサンドウィッチやん!」と。
会場爆笑!
トリは超地元、ガガガSP!
最後のナンバー「明日からではなく」の曲間のMC。
「1日立ったり、座ったりして、
あなた方は、無駄な時間を過ごしましたよね。
その無駄を楽しめるかどうかですよね、人間。
無駄を楽しめる人間が最高におもろい人間ですよ。
だから、無駄を選んで、無駄を楽しるあなた方は
最高な人生が送れるでしょう」
神戸に住む人、福島から来た人、全国各地から集まった
みなさんが、同じ空間で同じ時間を共有して、ひとつに。
オールラインナップ前、
「ダンロップの本社が神戸にあるからよく神戸に来るんだけど、
ダンロップは本社が神戸にあって、福島に大きな工場があって、
2回、被災してるっていう話を聞いて。
ダンロップの人はほんとに優しくて。神戸の人、みんな優しくて。
でも、それを言うと、やってもらったから当たり前だよっていつも遮られてる。
ってことは、福島、東北も、これからどんどん優しく、強くならないといけないなぁと、
神戸の人に教えてもらった。」
と箭内実行委員長。
出演者がステージへ。
全会場のフィナーレで歌われてきたTwo Shotですが、
今回初めて、ラップ部分を実行委員長が!
そして、高橋優さんとの掛け合いへ。
こちらも初。メインMCの平井理央さんも歌声を披露。
自らがしたためた歌詞で会場の感動を誘います。
歌っている方以外の方々も楽しそうです!
「山と海のある素敵な街ですね神戸 壊れて生まれ変わってまたまぶしくなった」
EGO-WRAPPIN’の中納良恵さんによる歌詞の一節。
力強く美しい歌声が大ホールに響き渡ります。
ラスト、アーティストのみなさんが手をつないでステージ前に並ぶ瞬間。
カメラマンの石井麻木さんが、この神戸のこの会場だけは、
どうしてもこのアングルで撮りたかったという一枚。
出演者の思い、来場者の思い。
その全てを、
阪神・淡路大震災による倒壊から見事に再建された
「神戸国際会館こくさいホール」が
優しく包み込んでくれました。
※アーティストの方、来場者の方の笑顔が満載のグリコ「みんなの笑顔 フォトレポート」はこちら
※NOTTVでは、「風とロック LIVE福島 CARAVAN日本」9公演の模様を、
アーティストインタビューやドキュメンタリー映像を織り交ぜたダイジェスト版をお届けしています。詳しくはこちら
murahashi