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NO KAZE, NO ROCK. 風とロック 箭内道彦のムービーブログ
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2013.8.31 風とロック宮城 ライブレポート

風とロック宮城 LIVE福島 CARAVAN日本 ~I love you & I need you みやぎ!~
ライブレポート (ライブフォト by 石井麻木)


「ただいま、東北。」


映画上映前の映像にて、
そんなスーパーが映し出されました。
風とロック宮城。

福島から始まったキャラバンの旅が、
沖縄、札幌、長崎、東京、神戸、広島と巡って、
いよいよ、東北に帰ってきました。

「あの日〜福島は生きている〜」の上映。

キャラバンと共に、それぞれの地の皆さんに
手渡しする形で上映されてきたこの映画は、
遂に海を越えて、スペインへ。
今年のサン・セバスチャン国際映画祭で、
上映されることが決定しました。

スペイン・バスク地方で行われる
60年以上もの歴史を持つスペイン語圏最大のその映画祭。
スペインと日本の国交400周年を記念して、
サン・セバスチャン映画祭より正式招待を受けた
CINEMA CARAVANの特設ステージでの上映です。
総合監修の是枝裕和さんの
カンヌ国際映画祭審査員賞受賞作品「そして父になる」も
同祭で、上映されます。

そんな「あの日〜福島を生きている〜」。
全国を巡りながら、その場所その場所のみんなと一緒に観たい、
と何度も観てくださる方もいます。

上映後のトークショー。
001_DSC_1647.jpg

写真左より、平井理央、浮ヶ谷美穂(ミヤギテレビ)、高橋正樹(女川さいがいFM) 、
大久保剛、藤井敬之、渡辺俊美、富澤タク、箭内道彦。(敬称略)

高橋正樹さんは、
津波の被害が大きかった宮城県女川町で津波被害に遭わず
社屋・工場が残った水産加工会社「高政」の4代目。
実在する「女川さいがいFM」を舞台に、
東日本大震災後に生きる女子高生と彼女を見守る大人たちを描いたNHKドラマ「ラジオ」で、
吉田栄作さんが演じた役のモデルとなった方です。

高橋「明るいニュースばっかり流れるじゃないですか。復興したって勘違いされるんですよ。
女川町って、人口が宮城県内の中でも断トツに減ってるんですね。
人口は被災前はジャスト1万人だったんですよ。
震災で約1,000人亡くなったんですけど、今5,000人いるかいないかなんですよ。
で、そこでうちも蒲鉾屋として、いろいろ人雇ったりとか、
他の会社の手伝いとかしてるんですけど、やっぱり街はまだ何にもないんですね。
建物が地盤沈下しちゃって、洪水になりやすいし津波になりやすい。
だから建てられない。かさ上げが終わるまでは、
まだ復興どころか復旧すらなってない。」

箭内「風化と風評は、背中合わせというか。
忘れない人たちが風評を起こすし、忘れてしまう人たちは風化を発生させるしで。
復興したとはまだ思わないでくださいって、すごく大事なキーワードだなって思う。
忘れないよ、って、すごくいい言葉だけど、何を忘れないでほしいのかって。
例えば、福島が危険な場所だってことを忘れないでほしい、
とか、そういうことではないじゃないですか。
それも忘れないでほしい、って括られてしまうと、
どんどん福島の人たちを追いつめてしまうし。
だったら、福島で毎日を丁寧に生きている人たちが
たくさんいるんだってことを忘れないでほしいっていう風にすれば、
風評みたいなことにはならないんじゃないかなって思うときがあって。」

トークショーの当日の朝は、
「あまちゃん」がちょうど2011年3月11日の回。
脚本が、宮城出身で「予定〜宮城に帰ったら〜」も歌う宮藤さんということもあって、
トークショーも、その「あまちゃん」の話に…
月刊 風とロック7月号の取材で
宮藤官九郎さんにインタビューをした箭内実行委員長は、宮藤さんが
被災地という言葉が好きじゃないと。被災地は日本なんだて言っていた、と紹介。

高橋「今日の放送、僕も見ました。泣いて、見れなかったです。
ただ、クドカンさんだから、って自分に言い聞かせて見ました。
いや~きついっすよ。ぶっちゃけ誰も死なないで、って思います。」
箭内「クドカンを信じて大丈夫です!これ、ネタバレじゃなくて。」 
高橋「ですよね!よし、月曜日も見よう。」


オープニングアクトは、
「六軒丁睦」の皆さんによる、仙台すずめ踊り。
002_DSC_1657.jpg

慶長八年(1603年)、仙台城移徒式後の宴席で、
泉州・堺出身の石工(石垣造りの職人)さんが、
伊達政宗公の御前で即興で披露した踊りが
はじまりと言われる「すずめ踊り」が、仙台Rensaに。
ライブハウスだと、他の場所で聞くより、
より”音楽”としての格好良さも実感できて
新鮮な体験でした。


箭内実行委員長と平井理央さんによる
オープニングトークでは、
これまでの各会場で訊いている、
恒例の、どこから来たかの“出席確認”。
たくさんの宮城からのお客さんとともに
県外から参加の方も数多く。

その中でも、なんと神戸からいらっしゃった方が。
そして、これまた恒例の実行委員長による無茶ぶりにより、登壇。
003_DSC_1692.jpg
なつみさん、ありがとうございました!

そして、LIVE。
トップバッターの予定だった高橋優さんが、
前日にライブがあった札幌からの飛行機の機材トラブルにより、
仙台入りが遅れ、タイムテーブルが変更されました。

トップバッターは音速ライン。
藤井さんは、大学時代の青春をここ仙台で過ごされて、
仙台大観音のお膝元に住んでいたそう。
そんな話しから、急に、
藤井さんが大久保さんに向かって、
「あれ、大観音にちょっと似てるよね。超似てる。」と。
場内が騒然となりました。
004_DSC_1701.jpg
仙台についての即興の歌や、
「Two Shot」も披露。

※ちなみに、仙台大観音をご存知ない方はこちらを↓
http://www.daikannon.com/kan.html


さて、次は、この方。
「親戚じゃないからね」といつも実行委員長が言う、箭内健一さんの登場!
実行委員長と同じく郡山出身で仙台も拠点の一つとして活躍する世界的DJ。
「I love you & I need you ふくしま」そして「Two Shot」
の箭内健一リミックスもプレイ!
005_DSC_1770.jpg
クール…
しかも、楽屋裏から突然、渡辺俊美さんが!
箭内健一さんがプレイするTOKYO No.1 SOUL SETのナンバーに
俊美さんの生声が重なるという…
なんとも贅沢な「ご本人登場!」でした。

続いて、高橋優さん!
無事に仙台入り。
オープニングトークで
プロデューサーでもある箭内実行委員長がお客さんとやりとりするなかで
発案したドッキリも経て…
熱唱!
006_DSC_1841.jpg
高橋優さんは、
今週末9月21日(土)、
福島で芋煮会1日目が行われている日に、再び、仙台へ。
仙台市民会館でライブ後、
翌日の22日に猪苗代、芋煮会へいらっしゃいます。

畠山美由紀さん。
翌週にキャラバンが訪れる、岩手出身の宮沢賢治作詞作曲、
「星めぐりの歌」。
007_DSC_1946.jpg
赤い妖精が仙台Rensaに舞い降りたかのよう。
008_DSC_1955.jpg
仙台ではライブハウスでしたが、
猪苗代の芋煮会では、この美しい歌声が
屋外の大自然に響き渡ることでしょう。
楽しみです。

そして、お次は、
赤き魂が、降臨。
009_DSC_2140.jpg
熱い!
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怒髪天は、ここ仙台Rensaで
年内に再びLIVEがあります。

タワーレコードブース近くでこの方も告知。
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「11/10(日) 仙台Rensa(ココ)で待ってるぜ !!」
タクさんの美声も、Rensaに響きます!
013_DSC_2283.jpg
エロティシズム川柳からの一節のご当地ソングも、健在。
宮城では、青葉城恋唄が歌われました。
そういえば、エロティシズム川柳ファンに朗報!
芋煮会で販売されるバッジ になりました。

そして、俊美さん。
最初のナンバー「夜の森」には、
急きょ、タクさんもギターで寄り添うことに。
キャラバンの弥次さん、喜多さん。
改めて、素敵なツーショットだなぁ、
と感じ入ってしまうセッションでした。

「もし、あの人が、おれたちの兄貴が、生きてたら
この会場で、この曲を歌ったんではないかな。」
そんな前フリで歌われたのが、
014_DSC_2324.jpg
忌野清志郎さんが日本語詞をつけて歌っていた「500マイル」。

舞台袖で聞いていた、出番を終えたある出演者の方も
この俊美さんの歌声に感涙。

ステージは、再び、俊美さんとタクさんに。
そして、遂にあの方が呼び込まれます。

中村雅俊さん!
015_DSC_2371.jpg
会場が歓声に包み込まれます。
白いライダースジャケットに、白のキャラバンギター…
かっこいいです!

「予定~宮城に帰ったら~」
016_DSC_2453.jpg
ラストは、宮城の各地の地名のシャウト。
ただただ、地名が叫ばれているたけなのに、
こんなにも深くぐっと来るのはなぜでしょうか。

オールラインナップ前、
箭内実行委員長がひとりでステージへ。
「ごめん、ちょっと一人で喋りたくなって、出てきました」
と話し始めました。

「2011年の3月にすぐ猪苗代湖ズが
『I love you & I need you ふくしま』を録音して、
あの曲は大切な歌なんだけど、あの曲だけじゃ足りないなっと思って。
ふくしま、ふくしまっていう、それはふくしま大変だけど、
そこで完結してはいけないと思って。
富澤タクちゃんに予定って歌で、福島に帰ったらって歌があるんだけど、
これをまず宮城と岩手のバージョンを作りたいんだっていうふうに伝えて、
4月9日にレコーディングして
夜中まわって俺ちょうど10日が誕生日で…
そんなことを思い出しました。
だから宮城、そして、来週岩手があることは、
すごく自分の中で意味があって。
『I love you & I need you ふくしま』も震災の半年前だし、
『予定』は震災の2年前に作っていた歌なんですよね」


オールラインナップ。
中村雅俊さんももちろん登場。

全員そろったところで、
実行委員長が突如、告げます。
「中村さんにも相談もせずに、今から39年前の歌をやります。
やっぱり、いま、必要な歌だなって思えたんで。
中村さんは聞いていてください」と。

友康さんのギターが鳴り出して、
俊美さんが歌いだす。

「ふれあい」

ひとり、そして、ひとり。
歌う人が増えていき、
会場のお客さんも含めて、みんな歌います。
中村雅俊さんをのぞいて。

歌い終わると、
「これ、39年前の歌だよ」と中村さんも驚き、
そして「感激しました」と。

増子さん、
「よく、みんな、本人の前で歌うな(笑)」とツッコミ。

そして、
オールラインナップによる「Two Shot」へ続きます。
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あれ、ドラマーの坂さんがギターを!?

そう、これはここ宮城から旅のお供に加わった
キャラバンギター(段ボールエディション)です。
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段ボールのキャラバンギターをもって、
ノリにノってる坂さんに、客席から
「おだずもっこ!」というツッコミも。

宮城の方言「おだずもっこ」。ぜひその意味、調べてみてください。
予定~宮城に帰ったら~の歌詞にも出てきますね。

新たなメンバーも加わって歌われた「Two Shot」 。
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仙台Rensaの会場全体が、家族のようになる瞬間です。

芋煮会の公式ツイッターで聞いている
#風とロックキャラバン参加回数
そこに回数とともに、ツイートされる皆さんの思い出。
出会いがあったり、素敵な発見のきっかけになったり、
ただただ笑って、歌ったり。
たくさんの人の素敵な思い出を増やしながら
旅を続けてきたを改めて感じています。

ありがとうございます。

ファイナルの芋煮会まで、
あと4日です。


※アーティストの方、来場者の方の笑顔が満載のグリコ「みんなの笑顔 フォトレポート」は こちら
アーティストの方もたくさん登場しています。
020_DSC_2011.jpg
こちらは石井麻木さん撮影。

※NOTTVでは、「風とロック LIVE福島 CARAVAN日本」10公演の模様を、
アーティストインタビューやドキュメンタリー映像を織り交ぜたダイジェスト版をお届けしています。
そして、ファイナルを飾る、風とロック芋煮会2013の
9月22日(日)の模様が15時から生中継されます。
詳しくはこちら http://tv1.nottv.jp/music/kazerock

murahashi