Free&Easy09年6月号の巻頭インタビューページへ箭内さんにご登場いただきました。
急なお願いにもかかわらず、快く取材に応じていただき、ありがとうございます。
今回編集部がお願いした取材テーマは、「男は、意図的に、目立たねばならない」。
厭らしいお題に対し、箭内さんはガツンと正面から向き合ってくれました。
日本人には、中庸という言葉に象徴されるように、目立たない美徳の下に生きている人が多い。
そんな社会のなかで、外見も内面も「意図的に目立つ」というリスクを選択しながら生きる潔さを、箭内さんの言葉には診ることができます。
詳しくは今月号のF&E(現在発売中!)をお読みください。
以前よりタグボートの岡康道さんから「一度は会っておいたほうがよい」と言われていました。
商売柄彩々な男と言葉のプロレスをやらせてもらっているのですが、箭内さんは、同世代(1960年代前半生まれの世代)のクリエイターのなかでも、とりわけ潔い印象をもちました。
一見、言葉巧みなディフェンシブプレイヤー。話を聞いていくうちに、そうではないことが判ります。
ディフェンシブな知性や戦略よりも、オフェンシブな野性や勘が先行している。その証拠に、取材中、言い訳が一言もありませんでした。
すべて見なくても物事の本質を察知でき、そのニュアンスを自分の言葉や映像に換えて伝えられる才能を感じました。入り込みながら俯瞰する、左目で泣いて右目は冷静、悠々として急ぐ的な才も、箭内さんにはあるように思えます。
そのような男は、大体において孤独です。
心から友といえる人がおらず、というか相談をする友人など必要なく、夜毎ベッドのなかで自分に相談しながら次の道を見つけ、好きな音楽や映画でひりついた心を癒し、シャワールームでしか泣けない、そんな絵が浮かんできます。それでいて、人前では穏やかで、謙虚で、一切威嚇の空気を見せない。ある意味、松田優作より男っぽいんじゃないですか?
40代のうちにぜひ、僕らの世代を主人公にした映画を撮ってください。「野獣死ぬべからず」みたいなテーマで。
ますますのご活躍、期待してます!
Free&Easy編集部 ヒロ猶岡