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アニキ本

aniki_bon.jpg毎週10時間は確実に新幹線に乗っているため、必然的に読書家になってしまった風トラ西脇です。
今日は今月10日に発売になった2冊の本について書いてみたいと思います。
1冊は、先日このブログでも紹介された、箭内の本「サラリーマン合気道」(幻冬舎)。もう1冊は阪神ターガースの4番打者、金本知憲選手の本「覚悟のすすめ」(角川oneテーマ21)。タイトルからして真逆のこの2冊、キャッチフレーズを付けるなら「サラリーマン合気道」は、「部下に読ませたくない本No.1」。「覚悟のすすめ」は、「部下に読ませたい本No.1」というところでしょうか。だって箭内の本には、会議には出るな、メモは取るな、アイデアは最後まで言うな、と下手すると日本のサラリーマン社会を崩壊させかねないことばかり書いてあるし、金本さんの本には、覚悟を決めれば何があっても気持ちはブレない、と誰も異を唱えようの無い求道者の信念が記されているのだから。
なので、金本さんの本をおススメします。


という結論で終わるわけにはいかないので、もう少し考察を深めます。(以下敬称略)
箭内「大学には三回落ちました。就職した会社では七年以上自分のやり方が見つけられず悶々と働いていました」
金本「大学進学の際は志望する東京六大学のセレクションを受けられず、浪人。ヤクルトスワローズのテストも受けたが、こちらも願いは届かなかった。」
という、遅咲きの二人。しかも、
箭内「自分がいないときに、隣の席の奴に面白い仕事が回ったら絶対嫌だなと思っていたんです」
金本「休んでいるあいだに自分の代わりを務める選手が活躍するのが怖かった」
と意外にも小心。でも、
箭内「緊張するからこそ、分かること、伝わることがある」
金本「私はいわゆる“ビビリ”だったから、努力することをやめられなかった」
と、そのコンプレックスをバネに変える。そんな二人の価値観に、共通点は少なくない。例えば、常識という概念に対して。
箭内「自分や世の中が「常識」であると確信していることについて、あえて異議を唱えてみることは、物事を多面的に考えるのに大変効果的です」
金本「それが常識だから、という理由だけで盲信してしまうと、可能性を摘み取ってしまう恐れがある」
若者への態度。
箭内「僕は若い人たちに対して、あえてきっぱりと命令するようにしています」
金本「たとえ人から強制されてやらされる練習であってもかまわないし、充分効果はあると思っている」
チームワークについて。
箭内「変に友達感覚になることなく、仕事に絞った純粋な関係を築くことができる」
金本「たがいの傷をなめ合うのがチームワークではない」
具体的な目標設定。
箭内「そのときそのときにおける失敗を具体的に設定し、そのことだけをきちんと恐れるようにするんです」
金本「決勝タイムリーとか逆転ホームランのような、自分が打って試合を決める試合を10試合はつくろう」
過去の実績を自らリセットする態度。
箭内「一回手の内を全部なくすことで自然と新しい手段を求めるように自分を誘導していくのです」
金本「これまでしてきた努力はこれまでの成果として現れたのであって、これからの成果はこれからの努力によって築いていかなければならない」


つまり、この2冊は、真逆なようで、実は同じことを言っている、究極のプロ論だと思います。奇しくも、同じ日に発売になった運命の書。
僕が尊敬する2人のアニキの本、ぜひ読んでみてください。


引用 箭内道彦「サラリーマン合気道」(幻冬舎)金本知憲「覚悟のすすめ」(角川oneテーマ21)


カゼトラ ニシワキ