クリエイティブ・シンポシオン2009 ナイトプログラム第三弾
「広告批評ナイト〜現代の冒険者と新しいジャーナリズム」
ゲスト:石川直樹 聞き手:河尻亨一
食堂久田です。
原宿・風とロックレボリューションズ“今だけ風とブック”で開催されました、
広告批評ナイトも最終夜。
ゲストは写真家の石川直樹さんです。
写真集はもちろん、たくさんの著作も出されている分筆家でもいらっしゃいますが、やはり「冒険家」と認識されている方も多いでしょう。
詳しいプロフィールはコチラ、石川さんのHPでどうぞ。
想像を絶するチョモランマの極限状況や、人がナイフで刺し合うバリの奇祭、コンパスも地図もなく星だけを頼りにカヌーを操る技、気球で太平洋を横断中しようとして遭難しかけた話など、写真や映像をまじえながらうかがっていきます。
しかし「広告批評ナイト」なのになぜ“冒険”と“ジャーナリズム”に関連が?
それがあるんです!という河尻編集長の確信のわけがだんだんわかってきました。
何を撮るのかではなく、なぜ撮るのか動機を大切にしてきたと言う石川さん。
主観をまったく入れないことは不可能だけど、でもできるだけ入れず、
事物をあるように、記録として撮ろうとするその姿勢自体がまずジャーナリスト的。
そして、地球上には、もはや前人未踏の地はないのだそうです。
冒険の“到達点”と呼べるものがない今、石川さんが参加された「Pole to Pole」(北極〜南極を人力踏破するプロジェクト)のように、点と点を結ぶ新しいルートだったり、機械に頼らない人力だったりといった、新しい切り口が必要になっているのです。
それは国家をあげてとか、企業が後ろ楯となってというような一大プロジェクトではなく、もっと個人的な規模の小さい活動が主だそうです。
広告もジャーナリズムも同様です。テレビCMをバンバン流して、何億円も投じるビッグキャンペーンでモノが売れる時代ではなくなりました。
老舗と呼ばれる雑誌がどんどん廃刊する一方、個人発信のブログからベストセラーやヒット商品が出たり、ケータイ小説が映画にまでなったり。
この難局を乗り切るにはやはり、今までにないあたらしい切り口や方法論が必要なのでしょう。
この対談の模様は『広告批評』最終号に掲載されます。
是非じっくり読んでいただきたいし、写真も見ていただきたいと思います。
hisada
現在展覧会開催中です。
●『最後の冒険家』展 〜4/3(金)まで
@集英社ミュージアム
●『アーティスト・ファイル2009』 〜5/6(水)まで
@国立新美術館