「箭内編集長大変です!」
青山ブックセンターでおこなわれた、雑誌『PLANTED』のイベントに行ってまいりました。壇上には編集長のいとうせいこう氏、クリエイティブディレクターのルーカスB.B.氏、そしてアートディレクターの尾原史和氏の3人。最新号記念のトークショーかと思ってのほほんとしていたら、いきなり「企画タイトル」「キャッチコピー」「企画意図」「台割(3見開き分のページ構成を図で説明)を記入する紙が配られててびっくり。次号のテーマが発表され、「15分後に集めますから今書いてください」という有無を言わさない朝の小テストみたいな言葉を聞きながら、膝の上でみな必死にカリカリ。集められた100人分くらいの企画書の中から目についたものをせいこうさんがどんどんスクリーンで紹介してゆく。選んでいる間、舞台上のお三方は結構無言で、会場のお客さんももちろんなすすべもなく無言。でも、読まれたいような読まれたくないような恥ずかしいようなでも実はちょっと自信があるんだけどみたいな微妙な空気が漂う。しかしこれがまたほんとにみなさんうまい…。同じテーマを与えられて同じフォーマットで回答しているのに、これだけ眼の付けどころには違いが出るものかと…。「編集者なんてもう特別な職業じゃない。いいアイディアさえあれば誰でも編集者になれる」by ルーカスB.B.氏。なんとこれはつまり箭内が提唱する“ギャングスター”ではないですか!!! しかも企画が採用された方はちゃんと次号巻末に編集者としてクレジットします、だそうです。“ギャングスター編集者”の誕生です!!! そして「いい企画は“盛って”ある」by せいこう編集長。なんのことやら。言ったご本人も“盛り”の用法が正しいかどうかは自信がないということでしたが、“複数の要素がうまいこと組み込まれている”ということでしょうか。その企画に、今とりあげる意義があってテーマに沿っていて珍しくてビジュアルがわかりやすくて展開できそうで、しかも広告がもらえそうかどうか(これ切実)。「こんなことできたらなんかおもしろいと思います」って自分の頭の中だけで完結していてはちっとも“盛れて”ないわけですよ。世の中のできごとに興味と疑問を持って関わろうとせずしてギャングスターへの道は遠い!
hisada