『エ!?シンゴいたの?ゴメン眼中になかった・・・』
『エ!?シンゴ、ADKの人なの?』
モニターだけが煌々と照る暗室で、どこからともなく突き刺さる、剣先鋭い言葉たち。
「アレ?僕にも痛覚があったんだ」と自覚した瞬間、目の前にはアイツの姿が。
そうさ、アイツさ。アイツは、ヤナイ。
というわけで、先日ご紹介したCM撮影を受けて行われましたテレシネの模様を
私、ADKの若木信吾(誤植)が、実況中継させて頂きます。
テレシネとはフィルムで撮影した素材をビデオに変換する作業のことで、
同時に、映像の色調も整えていきます。
色調は映像に対する第一印象を決定づける要素でもあり、
最終の仕上がりに、大きな影響を及ぼす大切な制作工程のひとつ。
また、僕ら制作スタッフにとっては、撮影した素材全てを、
編集前に確認出来る場でもあったりするわけです。
ちなみに『俺、テレシネ大好き!何か、一気に仕上がっていく感じがするって言うか』と箭内さんはおっしゃっていました。
『う~ん、何かこの色味だと、この人が遠くへ行っちゃった感じがするんだよな。
心の声が聞こえなくなっちゃう、みたいなさ』
箭内さんの一言で、色調を変えてみると、あら不思議・・・。
確かにモニター内の被写体は、心の声を持った等身大の女性へと息を吹き返してくる。
箭内さんとカメラマンである田島さんの明快なディレクションのもと、
快調に進むテレシネ。そして、鮮やかに色づき、輝きを増す映像たち。
それらの工程を目の当たりにし、これからの編集に、ドキドキを隠せない僕らなのでした。
で、「風とロック」ファンの皆さんには、相当どうでも良いことではありますが、
僕の兄が、近々、結婚するそうです。
本人は何も言ってくれないけれど、田舎の両親から聞きました。
「風とロック」の一ファンとして、箭内さんとのお仕事を誰よりも喜んでくれた兄。
そんなこんなで、この場を借りて申し上げるのもスゲー恐縮なのですが、
「お兄ちゃん、おめでとう!弟は、めちゃくちゃ嬉しいです!!」
と、兄の人生に、本日のテレシネほどの輝きを願う僕なのでした。
『メッセージ書いてあげなよ、兄ちゃんに・・・』
箭内さんの一言に、ちょっぴり泣けた34の夏でした。
wakaki