はじめまして。ROBOT秦です。「パラレル・スペース」というドラマのプロデューサーやってます。
今回、初めて箭内さんとお仕事させていただきました。
箭内さんはドラマが初めて、私はCMの方とお仕事をするのが初めて、
そして超有名人とお仕事するなんて、私はとてもドキドキして、
社内でも「あの箭内さんと仕事するんだ〜 お前、いいなあ〜」と
ニヤニヤされ、最初からビクビクしていましたが、
一緒に仕事をしてみると、箭内さんはすごく素敵な不思議っ子でした。
つまり、S・S・Fです。
■箭内さんて、不思議っ子 その ①
いつも洋服が派手です。ひとり色見本です。
初めてお会いしたときは、ピンクの帽子、金髪、カラフルなジャージでした。
・・・しかし見慣れると、なんだか可愛くておしゃれに感じてきました。
あるときはカラフルな缶バッチを大量につけた
ベストを着てました。
色見本、超えちゃいました。
でも、可愛いんです。
パシッと、似合ってるんです。
ためしに「缶バッチ、ひとつください」とお願いしてみました。
私も箭内さんの色見本のひとつになってみた
かったんです。
でも、あっさり断られました。
悔しいから、自分でイチゴの携帯ストラップ
買ったんですけど、
つけて2日でなくなってしまいました。
■箭内さんて、不思議っ子 その②
ドラマや映画って、決まりの書式で決まりの大きさの台本を印刷するんです。
箭内さん、「値ぶみカメラ型の台本にしたい」
と言い出しちゃいました。
私はすかさず聞こえないフリをしました。だって、すごくお金かかるんですもの。
何回か聞こえないフリ&忘れたフリをしました
が、
不思議っ子は、値ぶみカメラ型の台本なんて、
そりゃ、私が言ったらなんですが、
すごく可愛いもの、諦めるはずがないです。
困った私はWOWOWの宣伝部にいる、
超エリート&超仕事ができるお友達に相談しました。
・・・で、出来上がったのが値ぶみカメラ型の
ケースに入った、竹子の電卓です。
宣伝部がつくってくれました。
不思議っ子、すごくニコニコしてました。「かわいー」と喜んでました。
負けじと私も会社で使ってます。「やっぱ、かわいいな、コレ」
不思議っ子の勝利です。
■箭内さんって、不思議っ子 その③
台本を作るのと同時に、スタッフを決めなければなりません。
箭内さん「カメラマンはタジマックス、スタイリストはモモさん・・・・」
と言い出しちゃいました。
タジマックスこと田島一成さん、
モモさんこと北澤モモ寿志さんは、
泣く子も黙る超一流クリエーター、私はビビリまくりです。
「あのう、箭内さんが、ドラマやるんですけど、どうしても皆さんでないといやだと・・・」
「やります!」
みなさん、私がまだしゃべってるのに、速攻返事です。男です。
それからの度重なる打ち合わせ、ロケハン、衣裳合わせ・・・と何度もお会いするうちに、
箭内さんが決めたスタッフ(のちにキャストもそうだとわかることになるのですが)は、
みなさん、上品な方たちでした。
箭内さんのスタッフ、一見、怖いんですよ。
超売れっ子のクリエーターですもの、見た目
かっこいいし、おしゃれだし、
あんまり無駄口たたかないし、
いつもはヘラヘラしてくだらないことばっかり
言っている私も、さすがに箭内組の
打ち合わせでは寡黙でした。
でも、みなさん、穏やかで、紳士で、優しい、
そして今更なんですが、プロフェッショナルなんです。
カラコレ(映像の色調整のことです)で田島さんがおっしゃった一言、
「この作品、やってよかったな」というのを聞いて、ちょっと泣きそうになってしまいました。
不思議っ子の周りは、みんな紳士です。すげえなあ、箭内さん。
しかし後日、5時間もかけてやったカラコレは、不思議っ子の
「やっぱ、やめた。元に戻したいなー」
の一言でなしになってしまいました。
不思議っ子に油断は禁物です。
・・・ああ、不思議っ子の話は尽きることなく、
このままずっと箭内さんのことを綴りたいのです
が、
もうお腹がすいたんでこの辺にしておきます。
ほんとに楽しくてハラハラしたひと夏でした。
今日、値ぶみカメラが完成したので、暫く箭内さんとはお会いできません。
今日の別れ際、私もじもじして箭内さんに言えなかったのですが、この場を借りて。
箭内さん、ほんとにありがとうございました。
この業界入って10年ですけど、すごく刺激のある、勉強になった現場でした。
楽しかったです。
次にお会いするのは12月の渡辺えりさんのコンサートですが、
そのときには・・・缶バッチください!!